イランの「安価なドローン」を数億円のミサイルで迎撃 石油施設を狙われ世界が困る…トランプ大統領の“誤算”

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 ではトランプ氏は、誤算でなければ、どんなシナリオを描いていたのか。舛添氏によると、トランプ氏は、今回の軍事作戦でイラン国民自身が、47年続いたイランの「イスラム革命体制」を転覆させると考えていた。つまり体制転換だ。

 2025年12月に起きた大規模デモも、反体制を訴えていた流れも、好機と捉えた可能性がある。しかも斬首作戦も成功し、最高指導者のハメネイ師も殺害した。民衆の不満と、それを恐怖政治で抑え込んだ指導者もいない。核兵器や長距離ミサイルの開発もしない、アメリカやイスラエルにとって、都合のよい民主国家ができるはずだった。ベネズエラの作戦成功も、その延長線にあったに違いない。

 攻撃を開始した1週間前、米メディア(アクシオス)のインタビューで、トランプ氏は「長期化させてすべてを掌握することも、2〜3日で終わらせることもできる」と語っていた。彼のシナリオでは短期決戦で終わり、イランの反撃はあっても“限定的”で、周辺国への影響などないと踏んでいたはずだった。

 事実、アメリカ軍は5800億円(米シンクタンク試算)もかけてミサイル攻撃を行い、開戦後すぐに制空権を奪うなど、圧倒的軍事力を見せつけてきた。ところがイランに安いドローンで迎撃されるという誤算が生じた。

 また、イランを一気に短期で破壊することで「お手上げだ」と降参し、資源輸送ルートとして重要なホルムズ海峡を封鎖する能力もないだろう、つまり経済的影響もないだろうと、もくろんでいた。

 そしてこのシナリオのエンディングは、中間選挙だ。関税問題やインフレで悪化する国内経済を払拭するためには、この戦争が支持率上昇の起爆剤になるはずだった。イラク戦争の時のブッシュ大統領(当時)は支持率が上昇していた。

 しかし、そのすべてが誤算だった。ロイター通信の調査によると、今回のイラン攻撃を「支持しない」と答えたアメリカ国民は43%。「支持する」の27%を大きく上回っている。攻撃を支持する人以上に、しない人が多いことが、トランプ氏にとって誤算だ、と舛添氏は指摘する。

トランプ氏の「無条件降伏」発言の真意
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