開幕を前日に控えた前夜祭、壇上に立った藤井名人は、リラックスした表情のなかに勝負師の顔をのぞかせた。
3月まで続いた防衛戦を終え、少しだけ春休みのような気分を味わっていたと明かした藤井名人だが、決戦の舞台である椿山荘に足を踏み入れたことで、いよいよ名人戦が始まるのだと改めて胸が引き締まる思いだと現在の心境を語った。戦いから離れていた穏やかな時間から、最高峰の防衛戦へと一気にフォーカスを合わせている。
今期の挑戦者は、大山康晴十五世名人以来40年ぶりの「現役理事」での挑戦という歴史的快挙を成し遂げた糸谷八段。類まれな早見え早指しと、力強く独創的な棋風を持つ難敵である。
藤井名人もその実力を警戒しており、この七番勝負では自身にとって「未知の局面での対応力」が最も問われる戦いになるだろうと気を引き締めている。しかし、それだけに持ち時間9時間という名人戦の長丁場で、そうした未知の将棋に没頭できることに楽しみな気持ちも抱いているという。
一手一手を深く考え、ファンを魅了する良い将棋を指すために、開幕局の2日間に全集中を注ぐ構えだ。春休みを経て心身ともに充実した絶対王者が、難敵を相手にどのようなスタートを切るのか。注目の第一局が、いよいよ幕を開ける。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
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