■早く終えたいトランプ、許さないイスラエル
溝渕氏は「今のネタニヤフ政権が共存を望んでいるとは思えない。極右の強硬派が政権を支えているため、聖書に書かれたイスラエルの土地に、イスラム教徒がいるのは許しがたく、『皆殺しにしなければ』と与党も考えている。現状での共存は難しいのでは」と考えている。
攻撃については「ネタニヤフ政権としては『停戦などもってのほか』だ。イスラエルにとって一番望ましいのは、イランがガザのような瓦礫(がれき)の地になること。だが空爆でそうするのは不可能で、イスラム体制の転換も不可能だ」と説明する。
そして、「アメリカは地上戦を望まず、イスラエルは地上部隊を投入できない状況だ。ならば、国際社会が『イスラエルを批判する』といいながら、全然しない状況のうちに、イラン国内の過激派を皆殺しにしたいというのが、イスラエルの願望だろう」とみる。
アメリカの姿勢については「ネタニヤフ氏は昨年6月のイラン攻撃以降、アメリカに対して『もっとイランを攻撃しろ。停戦交渉などひよったまねをするな』と散々言っていた。トランプ氏はネタニヤフ氏周辺から『数日でイランは体制転換できる』などと吹き込まれ、正しい情報もないまま、誰からも制止されなかった結果、攻撃を始めたと考えるのが妥当だ」とする。
イラン国民の受け止めはどうか。「戦前によく言われていたのは、『イスラム体制を積極的に支持しているイラン人は、国民の2割程度』。残り8割は、国際的な孤立や、核開発などで、あまり良くないと思っている。ただ、ハードコアな反体制派は1〜2割ほどで、残りの人々は、単に日常を送りたいだけだ」。
2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏は、「ネタニヤフ政権は平和を望んでいないのではないか。ガザにカタールから大量のお金が流れているが、現金を持ち込む時に、イスラエル軍が協力して、ハマスにお金を渡すのを手伝っている。ハマスをある程度強くした方が、結果的にいさかいが起き、イスラエル側が攻撃材料を手に入れられる。ニューヨーク・タイムズいわく、5年間ほどイスラエル軍が補助している」と問う。
これに溝渕氏は、「おっしゃる通りだ。イスラエルは、ハマスが強くなりすぎず、弱くなりすぎず、管理しやすいよう飼ってきた。イスラエルの文脈では『芝刈り』と言い、伸びすぎたら刈るが、根っこからは掘り崩さない」と補足する。
2週間の停戦後は、どうなるのだろう。「妥結できるポイントがほぼない。トランプ政権は、一刻も早くイランから手を引きたい。『アメリカが勝った。有利な条件で妥協させた』と言って帰りたいところだが、イスラエルは許してくれないのではないか」。
■長引く戦い、日本への影響は
