■「ニヤニヤしながらウインク」
中央区公式Xによる投稿(4月7日7時29分)は、以下の内容だった。「【不審者に注意!】昨日午後10時35分頃、中央区日本橋人形町1丁目の路上において、帰宅中の女子高生を見てウィンクをした男性がいるという不審者情報がありました。不審な人を見かけたら、ためらわずに110番通報してください」。
その後、18時22分に「【不審者情報(追加情報)】昨日の人形町1丁目の不審者情報については、メールけいしちょうに基づき発信したものですが、改めて確認したところ、女子高校生はニヤニヤしながら近づく男性に、すれ違いざまにウインクされ、身の危険を感じ警察に相談したとのことでした」という補足情報も出された。
警察や行政からの情報を集約、発信している「日本不審者情報センター」の佐藤裕一代表は、「ウインクが不自然な行動であるとすれば、そうした行動をする人=不審者の認識になる。知らない人からウインクされれば、『なんだろう』と不思議に思う。ニヤニヤも凝視していれば、不審者扱いになるだろう」と解説する。
こうした注意喚起が流れる背景については「『情報がある社会』と『ない社会』では、ない方が怖いという考え方がある」という。そのため「不審者情報だけでなく、名誉の回復にあたるような解決情報も積極的に出してほしい」と求める。
その理由については、「声かけをする側のリスクは、受け入れざるを得ない。一方で、あいさつや、善意の声かけは、社会として積極的にやるべきだとの考えもある。やはり通報後に『不審者ではなかった』との解決情報でカバーするのが、最善の情報流通だろう」と語った。
プロデューサーの若新雄純氏は、「誰に向けての注意喚起かが重要だ。『気をつけましょう』だけでなく、『そのつもりでない行動でも、不審だと思われて通報される可能性がある』という注意喚起にもなっている」と考える。
一方で「不審者と断定してしまうと、『俺が不審なわけがない』となる。定義は難しいが、ざっくり『犯罪の香り』に分類されると思う。例えば、発信時には『不気味者情報』くらいがいいのでは?犯罪一歩手前の警告に近いアナウンスだと、『これ私のことかも?』とは思わない可能性がある」との注意点も示す。
リディラバ代表の安部敏樹氏は、小学生のソフトボールチームの勧誘をする時の苦労を明かす。「友達同士でキャッチボールをしている子に、コーチが『週末一緒にやろうよ』とグラウンドに連れていく。これは地域活動の入口だが、今の子どもたちは『大人に声をかけられたら、親に言うか、無視しましょう』と言われている。下手すれば警察に通報される。コーチも1回通報されると、勧誘をやめてしまい、活動がどんどん縮小している」。
■子どもを危険から救った中年男性が“悪者”に
