大津地裁は「捜査の経過を正確に記録したものとは到底言えない」と、誘導の可能性を指摘。これらが決め手となり再審開始を決定。大阪高裁もこの判断を維持。最高裁は検察の特別抗告を退け、再審が開始されることになった。
取材中、一つの箱を見せてもらった。それは刑務所から送られてきた段ボール。弘さんが刑務所で使っていた“遺品”だ。家族は今でもそれを直視できないという。私たちは許可を得て、箱を開けた。
遺品について、弘次さんは「父ちゃん24年も刑務所にいて、段ボール箱たった2箱なんやで。父ちゃんの人生って一体何やったんやろ…。本人は無念やったと思う。母が元気なうちに、泣いて喜べるうちに、今いる家族がみんな揃ってお墓の前で、『父ちゃんよかったね、再審無罪やで。父ちゃんは殺人犯やないんやで』と報告できる日を夢見ている。それしか我々にはない。父は亡くなってしまったけども、せめて父の無念だけでも拭い去って、名誉だけでも回復してやりたい」と胸中を明かした。
「検察は『我々は間違わない』を貫く」
