■外交の重要性と「安倍政権」から続く評価の変化
しばしば批判されることもある政治家の外遊だが、政界ではその評価にも変化が出ているという。
「安倍(晋三)氏の時は、すごく外遊が好きでいっぱい行っていた。その時は野党も批判していたが、今となっては『その時の日本外交ってやっぱり素晴らしかったよね』という風潮がある。国際世論をどっちの味方につけるか。日本はそこが苦手とされていて、そこをもっと積極的にやらないといけないのは高市氏も認識していると思う。今一生懸命電話会談も積み重ねているし、今回のゴールデンウィークの外遊でもそういうことをやりたいと思っているのではないか」
こうした見解を踏まえ、伊藤氏は「コロナ禍では特に外遊が制限された局面もあったので、なおさらその重要性は認識されているかもしれない」と話した。
実は、外遊は出発前に与野党が出席する議院運営委員会に説明し、許可を得ることになっている。過去には許可を得られなかった外遊計画もあったが、今回は野党側からの批判が一切なく、スムーズに了承されたという。国会議員の中でも外交の大切さが認識されているようだ。
「少し前だと危機管理の話や国会対応、もしくは物価高などの有事の中で行くのかという意見もあったと思うが、これだけ国際関係をより強化していくべきだという風潮は、私も話を聞いている中で肌感覚として感じている」
澤井氏の話でもあったように、安倍政権時代の外遊の多さは際立っている。ある3年半の在籍期間に実施した外遊では、訪問した国と地域は92カ国と1地域、訪問日数は計204日間、随行人数は延べ4643人に上ったという。
総括としては「重要な国際会議に出席し、各国首脳と2国間会談を行い、我が国国益を確保した」とある(衆議院HPから)。
これは国会答弁用に作成された資料に基づく数字で、当時は「多いのではないか」という追及もあったが、今では積極的な外交として評価されている側面もあるようだ。
安倍氏の外遊が多かった理由について、伊藤氏は次のように語る。
「今につながる流れにもなっているが、日米同盟を基軸としながらも国際的な連携を広げていこうという考えがある。特に「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の理念のもと、インドやオーストラリアなどこれまで日本と外交関係が薄かったところとも積極的に関係をつないでいくことに意欲的に取り組んでいた。それが今の日本の外交戦略にもつながっている。非常に戦略的だったという評価があると思う。ただ一方で、北朝鮮やロシアとの関係がなかなか良好にならない課題は残していて、それは今も続いている宿題だと思われている」
(『わたしとニュース』より)
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