■議論される「商法」との境界線
EXITの兼近大樹は、この現状を冷静に分析する。「新しいPR方法だな、というぐらいで見ていた」とし、「楽しい動画がバブルのようにたくさんある中で、『助けて動画』も、おもしろいものの一つとして見る。いいPRだなと正直思った」と語る。
その上で、「詐欺でなければ、プロモーションとして使っていいということなんだろう」と指摘。「『助けてください』と言われても、助ける・助けないはそれぞれ自分が決めている。つらい人がいても、犬猫の方がかわいそうだからそっちに寄付する人もいる。選ぶのはこちら側だ」と、消費者の判断に委ねるべきだという考えを示した。
政治学者・岩田温氏も兼近の意見に同調し、「助けるのを決めるのは本人。だから、価値がないと思ったら、それはどんなに助けてくださいと言っても助けない」と述べる。また、農産物の規格外品については、「日本人が思っていたことに結構フィットした。B級品だから売ってはいけないというのもおかしな話」と、食品ロスの観点からも肯定的な見解を示した。
番組が実施したアンケート調査では、『助けてください投稿』を「あり」とする回答が66%に達し、「なし」の34%を大きく上回った。「あり」の理由には「困った時はお互い様、日本は助け合いの文化」「これがSNSの活用法だと思う」といった声が挙がっている。しかし、過去には鳥料理専門店が誤発注を装ったキャンペーンだと批判されたり、割烹料理店がおせちを誤発注した際に定価販売を行って炎上したりしたケースもあった。
法的観点から、神楽坂総合法律事務所の寺田弘晃弁護士は、「この投稿(情報)によって財産の損害が発生するか」が論点になると指摘する。問題となるケースとして、(1)誤発注してないのに誤発注したなどの「虚偽」がある場合(景品表示法、消費者契約法違反)、(2)商品の品質や価格についての「嘘」がある場合(虚偽広告、詐欺罪)が挙げられている。逆に、金額と商品が同価値であれば、法的な問題にはなりにくいという。
本田氏は、助けてくれた人々への誠実な対応が、長期的な関係に繋がったと実感している。「発送の時に手紙を入れた。今回は本当にありがとうございましたと、直筆で手紙を入れて送ったことがある。心と心をつないでもらうのも一つ」と、単なる売買以上のコミュニケーションを意識したという。
その結果、「リピーターのお客さんがすごく多い、うちのファンになってくれた。それがやりがいとなり、すごくやってよかったなと思えた」と、投稿がブランド形成の一助となったことを報告した。
(『ABEMA Prime』より)

