■「人生を奪う非公開の手続きは有害」不要派の主張
袴田事件の再審開始を決定した元裁判官で、弁護士の村山浩昭氏は「検察の不服申し立ては必要なく、有害だ。再審開始の決定は『無罪の言い渡し』とは違い、もう一度裁判をやり直すだけの中間的な決定だ」と語る。
その扱いについては、「裁判官は全部の証拠を見ず、検察官が提出した証拠で、確定判決を下している。ところが再審開始は、それとは違う証拠が入り、『この証拠があれば有罪判決にしなかった』と決定される。もう一度裁判を行うだけで、確定判決の効力は失われていない」と説明する。
裁判官の立場から「かなり慎重に判断している。再審開始決定を出す裁判官は、相当疑わしいと思っていることは事実だろう」としつつ、「実際は再審開始決定が出ても、不服申立てによって延びる。袴田事件では9年延び、今年確定した。日野町事件は7年7カ月。やり直しの裁判が始まるまでに、それだけ時間がかかるのはどうなのか。やり直しの正式な裁判で、検察官は有罪を主張・立証できる。それをきちんとやればいい」と求める。
再審見直しの超党派議連で事務局長を務める、自民党の井出庸生衆院議員も「抗告は不要だ。袴田事件は58年のうちの9年だが、決して短いとは言えない」と主張する。「再審請求の手続きは非公開で、その場で冤罪かどうかを決める。再審で無罪判決が出ると、検察側は一度も控訴・上告していない。もし有罪だと思うのなら、再審を始めて、公開の裁判で控訴・上告すればいい。非公開の場で、その人の人生をさらに10年前後も奪うのはおかしい」。
■「人は誰でも間違える」慎重な審理を求める必要派の主張
