一方で、やはり先手をもぎ取りに行く熱いプレッシャーの掛け合いも白熱した。第5局では、九州サザンフェニックスの永瀬拓矢九段(33)が「少し多めに出したい」「ここは豪勢に」と、それまでの20〜40秒台の相場を大きく超える「1分2秒」を入札。46秒を提示していたTDIルシーグ横浜の阿久津主税八段(43)を力技で上回り、軍師らしい執念を見せつけた。
そして、チームの勝敗を決する第7局では、斎藤六段が「(先後は)関係ないかなー」と悩んだ末に7秒を入札したのに対し、佐々木七段は「相手は少なめの入札時間なので、ギリギリを攻めた20秒。先手番が欲しいけどそんなに使いすぎないようにということで」と、相手の心理を読んだ絶妙な駆け引きを披露した。
先手番へのこだわり、持ち時間への執着、そして予想外のユーモア。チームや棋士個人によって個性があふれる「先手番入札制度」は、超早指し団体戦における最大の見どころとして、今後の対局でも勝敗を大きく左右しそうだ。
◆JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026 超早指しの『ABEMAトーナメント』と『地域対抗戦』が融合した新シリーズ。全国を6つの地域ブロックに分け全8チームによって競う団体戦。各チームは監督1名とドラフト会議で指名された棋士4名の計5名で構成される。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出。試合は5本先取の9本勝負で、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。今大会より「先手番入札制度」を採用。対局開始前に持ち時間を「競り」にかけ、提示した時間がそのまま対局時の持ち時間からマイナスされる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)


