盗んだカードでATM出金→写真公開も捜査難航
弘子さんには、いまも不可解な点が残っている。なぜ普段から用心深かったという晴美さんが玄関を開けたのか。当時は音声のみのインターフォンだった。
「あの子(晴美さん)は用心深かった。私だって(玄関を)開けない。『お母さんだよ』って言ったら、『はーい』って言って(玄関を)開けていた。『誰々です』って言って、きっと入ったに違いないと私は思う。ここの戸を開けて対応して、そして何かを取りに行ったと思う。後ろから(刺された)。だからそのままずっと(追いかけた)。(警察に)何かを取りに行かれていますよって。だからそれは私が思うにハンコ、その当時は何にしてもハンコが要りましたから、お金だったかもしれませんね。『会費を取りに来た』って言われたら。だから娘も『何が起こったの?』ってくらいで亡くなったに違いない」
侵入者は自宅を物色し、2階にも上がった形跡があったという。そしてわかったことがあった。晴美さんのクレジットカードが盗まれていたのだ。弘子さんによれば、晴美さんが持っていたカードは、当時ダイエーが発行した専用カードだったという。
自宅から約3キロ離れたダイエーのATMで、現金約50万円が引き出されていた。引き出した時間は、事件当日の午前11時過ぎ。少なくともこの前に犯行が行われていた可能性がある。
現金を引き出したとみられる人物の写真は、殺害に関与したかは不明ながら、事情を知っている人物として、事件から1年後に公開された。しかし逆光のため顔の部分が黒くなっており、特徴や性別、年齢などの推測が極めて難しく、捜査は難航した。
当時防犯カメラは外には設置されておらず、ATMからの映像しかなかった。犯行当日は梅雨前線の影響で、時折、雨が降る1日だった。警察は、この人物が着用していたと思われる雨具も公開。移動に自転車を使ったのだろうか。
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