■産むか産まないか…当事者の葛藤
番組では、検査を経てそれぞれ異なる決断を下した2人の当事者がその胸中を明かした。
現在妊娠中で来月に出産を控える30歳のRioさんは、通常の妊婦健診で行われた「胎児スクリーニング検査」を契機に胎児に重度の心疾患があることを告げられた。
「最初に産もうと思っていた病院から、詳しく診られる病院を紹介してもらい、そこで病気がわかった」。その病院では出産後、2歳までに少なくとも3回の手術が必要だと伝えられたという。告知されたのは、中絶可能な22週未満のわずか3日前。Rioさんは当時の葛藤を以下のように振り返る。
「現実ではないような感じもありながら、家に帰って旦那さんに説明しなければいけないということも頭にあったので、割と冷静だった。自分の子どもがどういう状態で、どうしたら助かり生きていけるのか、冷静に聞いていた。お医者さんからは『言うべきではないが、この日までに決めてほしい』と言われた。思ったより重度でショックではあったが、その話を聞いてる時も既に胎動があったので、お腹で動いてる子どもをおろすという選択は1ミリもなかった。旦那さんとも話し合って、このまま妊娠を続けるという結論を出した」。
一方、これまでに4度の妊娠を経験している39歳のKさんは、「産む決断」と「産まない決断」の両方を経験している。
1人目の妊娠時、NIPTで女性の性染色体が欠損する「ターナー症候群」の陽性判定を受けた。羊水検査の前に「どうしても産みたい」という気持ちが強くなり、夫と共に情報を集めて出産を決意した。
「ターナー症候群というものを聞いたことがなかったので、それを調べることから始まった。妊娠までに2年ほど妊活をしていたこともあり、ようやく来てくれた赤ちゃんという気持ちが大きかった」。現在5歳の長女は健常児として育っているという。
しかしその2年後、2人目の妊娠時に再びNIPTで「ダウン症候群」の陽性判定を受ける。当初は産む決心をしたが、その後のスクリーニング検査で心音異常や成長不全などの危険が判明した。Kさんは当時の苦渋の決断を明かした。
「長女のターナー症候群は比較的症状が軽いと言われていたが、(2人目の)羊水検査の結果が確定であることや、胎児スクリーニングでの結果を受けて『私たちでは育てられないのでは』という判断をした。今でも考えるが、もし2人目の子が私たちの初めての子であったら、また違う決断をしたのではないか」。
■海外では検査率7割とも 生まれる前に知っておく意味
