■「前例がない」の壁を越えて
しかし、社会的な壁も存在した。芸能活動においてオーディションで表現力を絶賛されても、「前例がない」「成功例がない」「その後どう売り出していけばいいかわからない」という理由で保留されることが続いた。日本にはまだロールモデルが少ないため、「ろう者だから無理ではないか」という固定観念を持たれることが多い。
そんな中、中嶋さんは劇団四季のメンバーなどトップクラスの舞台俳優が出演するミュージカルに抜擢された。起用を決めた演出家は「彼女は想像力や感じていることを表現する力が長けている。彼女の手話を見ているだけで音楽が聞こえる錯覚があるのは、彼女にしか出せない魅力だ」と評し、その役柄はろう者などではなく、他の出演者と同様いち役者として舞台に上がる。
中嶋さんは「ずっと憧れていた。私は聞こえなくて手話を使うが、ろう者の役ではない。手話で自分の言葉として演じられるのが本当に嬉しい。これから見てもらう人にこういう方法ができるんだと示し、次に繋がっていけたらいい」と期待を込めた。
最後にポジティブに進んでこられた理由を問われると、「すごく悩んで辛くても、人生もったいない。今の環境が変えられないなら、新しいやりたいものを見つけて、手話のパフォーマンスをやってみたいと目標を決めた。舞台に立つのが好きだという気持ちを持ち続け、バレエとは違う方法でも、自分ができるのならこれを目指した方がいい。未来に向かって頑張っていこうと思った」と答えた。
(『ABEMA Prime』より)
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