複数の渦が同時多発する「多重渦」恐怖の瞬間…静岡を襲った日本最大級の竜巻から身を守るための備えを考える

テレメンタリー
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■「多重渦」が被害を拡大…身を守るのに有効な場所とは

多重渦
拡大する

 こうした山の被害や、複数回飛ばされたという証言から小林教授はこう推測する。

「複合渦的な多重渦がこの一帯を駆け巡っていった。それを皆さんが経験した。そういうストーリーが妥当じゃないかなと」

 多重渦とは、巨大な渦の中に複数の小さな竜巻が発生する現象のことだ。渦の中で小さな竜巻も回転する。小林教授は、牧之原市ではこの多重渦が被害を拡大したとみている。

「恐らく2つ3つ子どもの竜巻があって、たまたま1個しか通らなかったところはそれでも被害強い。2回通過したところは被害が2倍になる。3個通過した時にはもっとひどくなる」

 今回の竜巻について、現地を調査した気象庁は、強さを示す日本版改良フジタスケールで上から3番目のJEF3と発表。「国内過去最大クラスだった」としている。小林教授は、ドローンの映像も確認した上で今回の被害をこう分析する。

「牧之原から吉田町をもう1回丹念に調べてみると、1本の竜巻、1個の竜巻ではどうも考えられない。人が飛ばされるとか宙に浮くとか、あるいは今回見たような倒木のこれだけの被害とか、あるいは木の樹皮がね、一皮剥けるとか。こういう被害があって、昔からアメリカのトルネードで非常に強いFの4とか5で起こるようなミステリーっていうことが日本の牧之原で起こったということですよね」

 竜巻が同時多発していた牧之原市や吉田町。少なくともその中の1つでは、大きな渦の中に小さな竜巻が複数発生する多重渦が被害を大きくしていた。そんな構図が見えてきた。竜巻から身を守るのに有効な場所があるという。

「一般的に言えば、最後の最後、家が飛ばされても残っているというのがバスタブなんですね。いざという時、身の危険を感じたら家族でバスタブの中に子どもを下にして自分が上になって、頭をクッションや毛布で守るという基本姿勢をとることも非常に重要になってくる」

 竜巻でイチゴ農園に大きな打撃を受けた中村さん。被災から1カ月、片づけ作業は進めているが、本格的な復旧にはほど遠い状況だ。

「大事に育ててきてたので、時間をかけて。この状況を見ると切ない気持ちになりますね。生活もありますので。収入が1年間ないので、ちょっとアルバイトとかしていかないといけないなと思っています」(中村さん、以下同)

  牧之原市や吉田町では、今回を含めて5年間で3回の竜巻被害が出ている。

「何年か前に近くで竜巻が起きて、絶対にないとは思わなかったですけども、まさか自分のところがね、被害を受けるとは思っていなかったですね」

  それでもこの地で農園の再開を目指すと話す。

「復旧を目指して前へ進めるように考えていますけど。皆さんも応援してくれていますので、またおいしいイチゴがね、作れるように頑張りたいと思います」

 局地的に二度、三度と襲い来ることもある竜巻。地震でも台風でもない、第三の災害に備えなければいけない。

※年齢等は2025年10月25日地上波放送当時
(静岡朝日テレビ制作 テレメンタリー『ろうと雲の下~静岡9.5 日本最大級の竜巻~』より) 

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