赤字540億円…クールジャパン機構はなぜ失敗?背景にある「専門性なき投資」と「翻訳人材不足」の壁

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■「分野を広げすぎた」専門性なき投資の構造的欠陥

小林史明衆議院議員
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 自民党の小林史明衆議院議員は、機構の失敗要因について「国民からお預かりしたお金を投じた施策がこういう状況になったことを本当に申し訳なく思う。一番の要因は分野を広げすぎたことだ」と話す。「投資をして稼いでくるには相当な専門性が必要なのに、立ち上がったファンドは金融の専門家は集まっているが、その分野の専門家にはなっていない。投資でいう『ソーシング』、つまり案件を見つけてくるには分野のネットワークが不可欠で、それなしでは目利きもできない。その結果うまくいかず、いい人材も入ってこないという悪循環になった」。

 エンタメ社会学者の中山淳雄氏は、コンテンツ業界の視点からは、「メディアコンテンツへの投資は案件数でいえば全体の2割程度だが、最初の6年、2013年から19年で一旦失敗して終わっている。問題はスキームの貼り方だ。海外でゼロから事業を立ち上げるものに投資するには、起業家的な覚悟がある人間に賭けなければいけない。ところが、この会社でふわっとできそうだというレベルの相手にいきなり難易度の高いことをやらせた。飛び技でやらせてしまったのが大きい」との見方を示す。

 書評家の杉江松恋氏は、日本の優れた小説のリストを作り、海外に売り込もうとしたクールジャパン機構との取り組みを振り返り、「100冊のリストが完成したところで国内の新聞に全面広告が出て終わってしまった。本来はここからが本番で『海外の事業者にどうやったら翻訳して買ってもらえるか』までやらなければいけなかった。その手前で終わった感があって、すごく残念だった」。

■「国の役割は何か」文化の自発性と行政支援の境界線
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