藤井王位の構想の恐ろしさは、最終盤になってさらに輝きを放った。序盤から左辺での激しい戦いが続き、盤上の右側で長らく眠っていた飛車が、終盤に突入すると突如として敵陣の急所へと特急並みの速さで回り込んできたのだ。
横山七段が「飛車を回る攻めの組み立てをしていたことに気づかなかった。何を受けても飛車で攻める組み立てになっている。視野が広い。気持ち良すぎる」と感嘆すれば、戸辺七段も「ひとつ定跡を作った一局」と称賛。盤上を縦横無尽に睨みをきかせる飛車の姿に視聴者の興奮も最高潮に達し、コメント欄には「指さし確認ヨシ!」「まさに縦横無尽w」「アートだねこれは」「すげえ。こんなに綺麗に飛車って走れるんだ」と称賛の嵐が吹き荒れた。さらに「藤井メトロ開通」「飛車がカッコよすぎた」「この飛車が、藤井さんの新構想の終着駅、と言えるかもしれない」といった名言も飛び交い、大盛り上がりとなった。
局後のインタビューで藤井王位は、1日目の駒組みで金を上がり、歩を突いて仕掛けた展開について「金を上がったのは手渡しで、本意ではなかったです。歩を突き捨てて戦いを起こしてどうかと思っていました」と述懐。2日目の攻防については「馬を生かして攻めていければ面白いかなと思っていましたが、金をぶつけて攻めが続きそうな展開になったと思います」と振り返り、「序盤から難しい将棋で、中盤以降の仕掛けや変化が複雑な将棋でした」と総括した。
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