デビュー当時と3年目を終えた今では、「良い麻雀」の基準も変わった。赤坂ドリブンズ・渡辺太(最高位戦)はAIの牌譜も研究しながら、以前より手堅い選択を取り入れている。一方で、AIを鵜呑みにするつもりもない。日々の実戦を何より重視し、自身の感覚と最新の知見をすり合わせながら、次なる目標のMVP争いへ向かう。
―昨期はレギュラーシーズン、セミファイナルシリーズともに個人成績は好調だった。振り返って。
手牌には恵まれていたと思います。ただ、デビューした時に「これが良い」と思っていた麻雀と、3年目を終えた今「これが良い」と思っている麻雀は変化しています。その中で、自分が今打ちたいと思っている麻雀を打てている、前向きに出していけているという実感はあります。
1年目は自分の持ち味でもあるギリギリの押し引きで、押す選択が多かったと思います。そこから少しずつ守る意識も強くなって、手堅い選択が増えてきたかなと思っています。
―その変化にはAIの研究も影響している。
そうですね。最新のAIを見ていると、状況によっては結構手堅く守る選択も多いです。AIにもよりますけど、そういう部分が見受けられたので、自分でも取り入れてみようと思っています。それが自分の良さを消しているのかどうかは、まだ分かりません。
―自分の麻雀を作っていく上で、AIはどんな存在か。
いろいろな種類がありますし、鵜呑みにしすぎるのもいけないと思っています。その中でも、多くの対局で成績を残しているAIはいくつかあるので、そういったAIの牌譜を見ています。
理想を言えば、Mリーグルールに対応してAIが打ってくれるのが一番いいですよね。これから新しいAIも増えてくると思うので、そういった情報もちゃんとキャッチしなければいけないと思っています。
―将棋ではAIを使った研究がかなり確立されている。麻雀も同じ道を進むと思うか。
まだ全然その域には達していないと思います。開発者自体が少ないというのもありますし、将棋は王様を詰ませれば勝ちですけど、麻雀はルールも多様です。今あるAIにMリーグルールを打たせて、最強水準の成績を出せるのかと言ったら、まだそうではないと思います。AIはこれからさらに発展していくでしょうね。
将棋はフリーソフトから発展してきた文化がありますけど、麻雀AIの開発にはまだ十分にマネタイズできる環境がないことも大きいと思います。開発者の方に何も還元されないままでは、強いAIを作り続けるのも難しい。AIには発展してほしいですけど、開発する人がないがしろにされる形で軽率に発展してほしいわけでもないので、AIについて語るのは難しいなと思っています。
―開幕へ向けては、どのような準備をしているか。
自分は練習量をすごく大事にしているので、やっぱり実戦経験です。ポストシーズンが終わってからいろいろな仕事をさせていただいていますけど、仕事が決まったら残りの時間を麻雀に使っています。完全オフというものを作らないようにしていて、休みと言われる日はだいたい麻雀の練習に充てています。夜のちょっとした時間でもオンラインで勉強できますからね。
僕の場合は実戦がメインです。もちろん検討も大事ですけど、複数人で集まって一つの局面について話せば、1時間でも議論できます。それが本当に効率的なのかと考えることもあるんです。その時間でもう1半荘、2半荘打てたよね、と思うので、僕はそちらを大切にしたいです。
次のページMリーグ 日程
-
二階堂亜樹
勝又健志 -
鈴木大介
下石戟 -
佐々木寿人
佐々木寿人 -
黒沢咲
瀬戸熊直樹




