「ヘリが無けりゃ死人ばかりになる」医療用ヘリ3人死亡事故から浮き彫りになる「地域医療格差」…命を救い続ける現場に密着

テレメンタリー
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■民間病院の覚悟と「医療を運ぶ」取り組み

冨岡譲二医師
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 28の有人離島がある鹿児島県。鹿児島市の米盛病院は、救急医療に力を入れていて、医療用ヘリ「レッド・ウイング」を運用している。

 副院長を務める冨岡譲二医師は、災害派遣を中心に海外での医療活動にも従事するなど、救命救急のスペシャリストだ。レッド・ウイングの導入も、冨岡医師が2014年に手がけた。

 毎朝行われるミーティングには、その日のフライトドクター、フライトナース、機長、整備士らが参加し、天候や日没時刻などを確認する。

 この日の出動依頼は、離島ではなく、陸続きの大隅半島からだった。鹿児島市内から車で2時間かかるところを、レッド・ウイングは、わずか20分で到着。

 診察の結果、地元の病院で対応できると判断し、ヘリで搬送せず、救急車で運ばれた。

「(Q.救急車で運べたがヘリ出動の意味は?)患者を運ぶためではなく、一刻も早く医療を届けるため。特に遠隔地域、専門医がいないところは医療格差がある。医師・看護師が行って判断をして、場合によっては連れてくる役割。軽症だから近くの医療機関でいいと判断することも大事な役割」(冨岡医師)

 高度な専門医療を24時間体制で提供する「救命救急センター」。鹿児島県内には、米盛病院を含めて4カ所あるが、このうち3カ所が鹿児島市内に集中していて、過疎化が進む大隅半島にはない。日本の国土のおよそ6割が「過疎地域」と言われる中、取材した医療関係者らは「ヘリは離島に限らず、へき地医療に無くてはならない存在」と口を揃える。

 現在は、米盛病院に籍を置く冨岡医師。2013年までは、福岡和白病院に勤めていた。

「ホワイトバードが上手くいくことで、今後ヘリ救急が広がる先駆けになれば」(2008年・冨岡医師)

 事故が起きた「ホワイトバード」だが、実は2008年に冨岡医師が導入を担当したヘリだった。

  運航を始めた当初は認知度の低さから、患者搬送は月にわずか3回。冨岡医師は、消防と連携した訓練や島を訪れて子どもたちをホワイトバードに乗せるなど、医療用ヘリに親しんでもらうための活動を続けてきた。

 「もっと飛ばして、助かる人がいればもっといい」「地域医療格差を何とかしたい」そんな冨岡医師の地道な活動が実を結び、多い時で年間100件以上、空を飛んできた。このうち対馬など離島への出動が、およそ8割を占める。

「(当時)福岡での心筋梗塞の死亡率と、対馬の方がなった時の死亡率は数倍のひらきがある。(当時)対馬で心筋梗塞になったら、福岡だと助かるはずの方が助かっていない現状があった。それがホワイトバードを導入する一番大きなきっかけになった」(冨岡医師)

ドクターヘリと民間ヘリが抱える課題
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