「ヘリが無けりゃ死人ばかりになる」医療用ヘリ3人死亡事故から浮き彫りになる「地域医療格差」…命を救い続ける現場に密着

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■ドクターヘリと民間ヘリが抱える課題

KBC調べ
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 厚生労働省が所管する「ドクターヘリ」は、全国に57機配備されている。一方、米盛病院の「レッド・ウイング」や、事故が起きた「ホワイトバード」などの「民間ヘリ」は離島の多い九州を中心に5機にとどまる。

 ドクターヘリは、国と都道府県が運営費を負担していて、出動エリアは基本的に各都道府県内に限られる。一方、民間ヘリは、各病院が年間2億円ほどの運営費を自己負担している。その分、都道府県の垣根を越えて活動できるなど柔軟な対応が可能だ。

 民間ヘリを運営するのは、病院だけではない。沖縄県那覇市のアパートの一室に事務所を構える「メッシュ・サポート」は、離島・へき地への医療支援を続けるNPO法人だ。

 塚本裕樹理事長は「沖縄県や鹿児島県のように広域で離島が多い、北海道のように面積が広い、こう言ったところはそれ以外の都道府県と事情が違う。ドクターヘリの支援だけではまかない切れないのが実情」と語る。

 寄付金を募ることで、2007年に「民間ヘリ」の運航を開始。資金難により5度の運休を経験するなど、苦労の歴史を辿りながらも運航を続けている。

「今後、高齢化が進み、離島・へき地の人口がどんどん少なくなる。そうすると病院経営も成り立たなくなる。人がいないところに行政予算を投じるのは厳しい。どんどん負のスパイラルになる」(塚本理事長)

 地域医療の実態調査を続けている京都府立医科大学大学院の木塚雅貴教授は「(ドクターヘリの)広域連携を進めていく。自治体間の協定があればできます。離島の多い長崎・沖縄・鹿児島は、広域で助け合うことで重要な役割を果たせる。宮崎県にしろ大分県にしろ、実際にドクターヘリはある。基本的には1都道府県に1機ある。手助けはお互いにやったら本当はいい」と提唱する。

 取材した日のフライトドクター・倉田秀明医師と、フライトナースの鈴木龍看護師が現場へ向かう。鹿児島県ドクターヘリは、離島・奄美大島の病院と、鹿児島市立病院のあわせて2カ所に配備。米盛病院の民間ヘリ「レッド・ウイング」は、ドクターヘリの不在時にカバーする役割も担っている。

 診察を始める倉田医師。「こんにちは。よろしくお願いしますね」「今一番痛いのはどこです?首が痛い?」「脊髄が危ないので、(近くの病院では)診ることができないと思うから、米盛病院に運ぼうと思うけど、いいですか?」と尋ね、「1・2・3」の掛け声で搬送。米盛病院には10分ほどで到着。大事には至らなかった。

「命に軽重はない」へき地医療に求められる国の補助
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