■ラーメン屋・飛行機・特急列車…他ジャンルとの比較で見えた「線引き」
番組では、医療のファストパスを他ジャンルの事例と比較する議論が展開された。
ライター・Podcasterの速水健朗氏はラーメン屋のファストパスを例に挙げながら、感情的な摩擦について指摘した。「ラーメン屋におけるファストパスの活用が“横入り”のように見えて腹が立った。ディズニーランドのファストパスは、お金を払った人たちが合流する“瞬間”がわかりにくい。自然な形で合流する仕組みだからうまく運用できている。病院で明らかにすぐ来て横入りしていく人が来たら、待合室にいる人たちは『なんだこいつ』となる。仕組みとして正しいと分かっていても腹が立つ、という感情がある現場の運用は大変だ」と述べた。
平石直之アナが「飛行機のファーストクラスとエコノミーも露骨に見えている」と指摘すると、この日MCを務めた大物マダムタレントのアレン様は「飛行機の場合、ファーストクラスを100万で予約している方はラウンジから入るので、エコノミーの人と会わない。そもそもルートが違う。ラーメン屋とか病院って待合室も一緒だから嫌なだけで、ファストパスを使った人が裏口ルートから入り、入ったことが他の人に分からないんだったら、(ファストパスは)無いことと一緒」と語り、可視性の違いが感情的抵抗感を左右すると指摘した。
また、平石アナは「特急列車の例えは違う。特急列車は、鈍行の普通列車に対して新しい別の列車という位置付け。ところが今回のファストパスの事例は、同じ列車に乗っていて、その前に行くか後ろに行くかという枠の取り合いで、お金のある人が優先枠を取ってしまう、という論点がある」と整理した。
ほっとプラス理事・社会福祉士の藤田孝典氏は「ラーメン屋さん、テーマパーク、病院はそれぞれかなり公共性が違う。保育園・幼稚園、老人ホーム、病院といった公共性の高いものにはファストパスはそぐわないのではないか。痛いとか苦しいとか、人間の辛さに向き合う場で、同じ保険料を払っているにもかかわらず順番に差をつけられると、尊厳や人権的なものが傷つけられる懸念がある」と述べ、エンタメや交通機関とは明確に線引きすべきだという立場を示した。
■「蟻の一穴」か「受診機会の公平化」か
