■毒親の心理は? 元当事者が語る「無自覚」の連鎖と抜け出し方
親はなぜ、子どもを傷つけた過去を謝罪しないのか。自身もかつて“毒親”だったと振り返る本島直美さんは、「そもそも自分を毒親だと思っていない。子どもが傷ついていることにも気づいていない」と、その心理状態を分析する。
本島さんが自身の過干渉に気づいたのは、長女の小学校受験がきっかけだった。「志望校に入れるために追い込んでしまい、娘の笑顔が消え、チック症のような症状が出始めた。その時期に私の父が亡くなったが、実は父も厳格な毒親だった。父がしてきたことをしたくないのに、成績や生活態度で過剰に厳しく接してしまっている自分に気づいた」と当時の苦悩を振り返る。
本島さんのように、自分が「毒親かもしれない」と気づくこと自体にも難しさがある。本島さん自身も「何か判定基準があるわけでも、周りから『あなたは毒親だ』と指摘されるわけでもないため、非常に分かりづらい」と語る。しかし、コロナ禍前後からSNSなどで心理に関する情報発信が増えたことで、本島さんはプロのカウンセリングを受ける機会を得た。「究極的には『父に傷つけられ、癒えていない自分自身の気持ち』を癒してあげることが一番重要だった」と、連鎖を断ち切る難しさと向き合い方を語った。結果的に本島さんが変わったことで、娘に笑顔が戻り、親子関係は改善したという。
■親からの謝罪は期待できない残酷な現実
