被告をめぐる「空白の3日間」
3つめの柱は、被告の行動。田中被告は当時、工藤会の2次団体で本部長を務め、組長に次ぐ立場で毎日組事務所に出入りしていた。「しかし被告人は、同年12月17日頃から同月19日頃までの間に、組員に対し、旅行に行く旨や、その間携帯電話機の電源を落としておくので電話に出られない旨言うなどし、その約3日間、組事務所等にも現れず音信不通であった」(検察官)。
事件のあとの言動も挙げた。事件から半年、被告は携帯電話のメモにこう保存していた。「目立つことはするな。息を潜めて行動しろ。深海魚のように人知れず泳ぎ回れ」(検察)。九州ナンバーの車が事件に関わっていると報じられると、被告は幼なじみにライフの掃除を頼んだ。判決はここでも検察の主張を退けた。
空白の3日間について、組員の「2、3日、連絡が取れなくなった」という証言の信用性は高い。しかし組員は、被告が音信不通になったあと、組長が電話で「楽しんできたか」と声をかけたとも証言しているとして、裁判長は「被告人は当該期間、単に許可を得て旅行していた可能性も否定できない」と考える。
事件のあとの言動についても、「不意に本件に巻き込まれたことを察知したことに伴うものである可能性を排斥できないなど、いずれも本件の実行犯でなくても説明がつくものばかりであり、結論を左右しない」との認識を示した。
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