10月27日、山梨県甲府市の「常磐ホテル」で指された第74期王座戦五番勝負第5局で、広瀬章人九段(39)が伊藤匠王座(叡王、24)を破り、8年ぶり通算3期目となるタイトル・王座を獲得した。この結果により、将棋界の全8タイトルは6冠を保持する藤井聡太竜王・名人(王位、棋聖、棋王、王将、24)、伊藤叡王、そして広瀬新王座の3人で分け合う構図となった。絶対王者が君臨した時代から、世代を超えた実力者がタイトルを分かつ群雄割拠の時代へと本格的に突入したことを印象づける決着となった。
将棋界の勢力図の変化は、2020年の藤井竜王・名人のタイトル戦登場から始まった。同年7月に史上最年少で初タイトルを獲得して以降、加速度的にその数を増やし、2023年秋には藤井竜王・名人が前人未到の全八冠制覇を達成した。藤井竜王・名人による絶対一強時代が長く続くと見られていたが、その高い壁に風穴を開けたのが同世代のライバル・伊藤叡王だった。伊藤叡王は2024年6月の第9期叡王戦で藤井竜王・名人から初タイトルを奪取すると、2025年の前期王座戦でも藤井竜王・名人を破って王座を獲得。絶対王者の独占を崩し、トップ戦線は藤井と伊藤を中心とする若手2強の時代へとシフトした。
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