■人工冬眠の応用可能性と最大のハードル
人工冬眠が実現した場合のメリットについて、櫻井氏は「無限にある」と述べ、具体的に2つを挙げた。「まず分かりやすいのは医療応用。スローモーションにすることで、いろいろな病気の進展の速度を遅らせることができる。次に宇宙探査。NASAやESAが火星に人類を送るのに(往復で)2年かかるとされていて、積載量(酸素や食料品)をなるべく小さくするために乗組員の代謝を冬眠で下げるという考え方ができる」。
また、単にスローモーションにするだけでなく、「脳内の微小炎症などがちょっとだけ冬眠することで解消できたりする。うつ病の人が微小炎症になっているという話もあって、積極的な治療の意味もある」と述べ、将来的な治療への応用可能性にも言及した。また、人工冬眠によって寿命が延びるかという問いには「伸びると思う。最初のマウスの実験では老化がすごく遅くなった」と語った。
一方で実現へのハードルについても正直に語った。「特定のニューロンを特異的に興奮させる薬を見つけないといけない。オレキシン受容体をターゲットにした薬は創薬としてゴールが見えているが、Qニューロンの話は神経細胞を特異的に興奮させる薬の開発が課題だ」。将来的には「脳にデバイスを入れるとか電気刺激という方法もあるかもしれない」とも話した。
最後に睡眠に悩む人へのアドバイスを求められると、「光環境を整えること、そして気温をちゃんと整えること。物理的な環境を整えるのが大事。睡眠薬はずっと飲むものではなくて、眠れるようになる学習をするためのもの」と述べ、現代人の睡眠改善に向けた実践的な提言をしていた。
(『ABEMA Prime』より)
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