先場所初土俵を踏んだモンゴル出身18歳のホープ、豊昇龍が春場所二日目のこの日、本場所デビューを果たした。自身より48キロも重い155キロの中西に組み止められ、やや後退したが右下手から豪快に投げを放ち、巨漢を土俵に叩きつけた。同じ東の土俵下で控えていたライバルの納谷の前で、一足先に白星をつかんだ。
初めて番付に名前が載った今場所の番付は西序ノ口十九枚目。番付が東十八枚目と近い納谷とは順調にいけば、早い段階で対戦が組まれそう。先場所の前相撲では苦杯を舐めているだけに「今回は負けたくない」と意気込んでいる。
叔父にあたる元横綱・朝青龍とは顔立ちや風貌、喋り方までそっくり。電話やメールで時おり、アドバイスをもらうこともあるが、今回はまだ連絡は来てないという。偉大な叔父はモンゴルから来日して相撲の名門、明徳義塾高へ相撲留学。高校総体個人3位の成績を残し、18歳で角界入り。デビュー場所の序ノ口では6勝1敗だったが、翌場所から序二段、三段目と連続優勝を果たすなど、スピード出世で関取へと駆け上がっていった。
豊昇龍はもともとレスリングで日本の日体大柏高へ留学したが、在学中に相撲観戦したことがきっかけで、相撲への転向を決意。3年生のときの高校総体では個人2位と相撲を始めて2年足らずで高校時代の叔父の実績を超えた。プロデビュー戦を白星で飾った豊昇龍は、叔父が果たせなかった序ノ口優勝を目指す。
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