交流戦は3カードを消化し約半分が過ぎたところだ。ここまでの両リーグの勝ち星を比べてみるとセ・リーグ20勝対パ・リーグ29勝。13年間で1度しか負け越していないパ・リーグが今年も優勢に立っている。勝ち試合は20対29。しかし、それよりも驚くほど差があるのが盗塁数だ。なんと20対45。この時点でパ・リーグは倍以上の盗塁を決めている。セ・リーグが倍以上走られているというべきか。
![横浜DeNAラミレス監督も舌を巻くパ・リーグ勢の足攻め「ぺゲーロにも走られた」](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/7/a/724w/img_7aeb3961e56ad0e47cd3294117df28d11017663.jpg)
「パ・リーグの走塁のレベルは間違いなく高い」という横浜DeNAラミレス監督。「今までのデータや能力を見るとセ・リーグはパ・リーグの6割くらいの実力」と、大きな力の差を認める。
交流戦での盗塁数上位は、源田壮亮(西武)の4つに続き、金子侑司(西武)、田中和基(楽天)、西川遥輝(日ハム)の3つといずれもパ・リーグだ。今季の通算トップ3を見ても、セ・リーグは山田哲人(ヤクルト)14、田中広輔(広島)、京田陽太(中日)12に対し、パ・リーグは西川20、源田19、金子18と大きく上回る。セ・リーグであればトップ3に入る盗塁14の柳田悠岐(ソフトバンク)は、今季の盗塁成功率10割と完璧な走りを見せる。(数字は6月7日現在)パ・リーグが走りやすいのかといえば、そういうわけではないようだ。
「パ・リーグはスピードのあるピッチャーが多いしクイック(スピード)もセ・リーグとあまり変わらない。キャッチャーの肩も悪い人はいないし、相当技術がないと盗塁ができない。だが(盗塁の)数字は積み上げている。そのレベルでセ・リーグに来れば当然やられる」とラミレス監督。
「ペゲーロにも走られましたもんね」とこれには苦笑い。「福岡行って初めて思ったのはデスパイネに気をつけろ!走るぞ!って。(笑)もしデスパイネに走られたらショック大きいですね(笑)」
5月31日の楽天戦ではペゲーロに内野安打を許し盗塁され、岡島にタイムリーを浴び2対2の同点にされる場面があった。6月2日のソフトバンク戦は、デスパイネがフォアボールで出塁すると代走の城所に盗塁を決められ、塚田のタイムリー。ここでも3対3の同点に追いつかれた。スキを狙い、機動力を使って攻撃の手を緩めないのがパ・リーグの印象だ。「パ・リーグは、交流戦はどんな選手でもセ・リーグだから走るぞ!って思ってるかもしれません。塁に出たら初球からどんどんいきましょうみたいな感じですね」と舌を巻く。
走らせてばかりもいられない。6月7日の西武戦では浅村の盗塁を、新調したスポーツメガネをかけて試合に臨んだ高城が差し、一矢報いた。パ・リーグの攻略法のひとつは盗塁阻止かもしれない。指揮官が笑っちゃうほど走るパ・リーグの足を止められるかが後半の見どころになりそうだ。【山口愛愛】
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