初場所の新入幕から2場所連続の10勝を挙げ、前頭二枚目として臨んだ五月場所では3場所連続を期待されたが、惜しくも7勝8敗に終わった阿炎(錣山)。その人気は、番付を一枚下げて挑む名古屋場所を前にうなぎ登りだ。
 五月場所では「ウェイウェイ系」や「ニュータイプ」と呼ばれ、一躍脚光を浴びた。極めつけは、五月場所六日目での横綱・白鵬(宮城野)との一番だ。阿炎は立ち合い両手で白鵬を突き放し、相手がまわしを取れず引いたところをすかさず攻め込んだ。最後は土俵際の白鵬の腹をひと押しして初の金星を獲得した。取組もさることながら、ニュータイプの阿炎はここからが凄かった。その後に行われた殊勲のインタビューで、相撲ファンの度肝を抜いたのだ。