館内の客入りはまだ5割にも満たない正午過ぎだというのに、土俵上に立つ2人は割れんばかりの大きな拍手と声援を浴びていた。三段目の4戦全勝同士によるこの一番は数年後、幕内屈指の好カードになることは間違いない。ともに188センチという長身。琴手計は体重が144キロ、納谷は166キロと見るからに大器の両者は今春、相撲の強豪校である埼玉栄高を卒業したばかりの同級生。昨年はチームメートとして高校総体団体3位、国体少年の部の団体優勝を果たした仲だ。