早見え早指しにして豪腕。それゆえ、糸谷哲郎八段(30)を「早指しの雄」と呼ぶ人は多い。「NHK杯将棋トーナメント」で歴代優勝者3人を破って準優勝したのが2009年度。2014年には竜王位で初のタイトル獲得をなし得たが、やはりこの早指し戦でのインパクトは強烈だった。
竜王戦1組、順位戦A級と、2大タイトルではいずれも最上位で戦っている。前年度の成績は20勝17敗、勝率.5405と4年連続で勝率5割台。ただ、劣勢に立たされてからもその豪腕、怪力で状況を打破し、逆転勝利に結びつける地力は誰もが認めるところ。これまでタイトル戦の出場は3回だが、いずれまた挑戦者として名乗りを上げるだろう棋士の一人だ。