10連休が明け、しゃぶしゃぶレストランなどを展開する「木曽路」が、働き方改革として全国の店舗を一斉休業している。
木曽路によると、しゃぶしゃぶレストランなど169店舗を年中無休としていたが、7日と8日を二十数年ぶりに一斉休業。その影響で1億5000万円の売り上げ減を見込んでいるというが、稼ぎ時の大型連休中は従業員を休ませにくく、職場環境を改善させることで離職を防ぎたい考えだ。
人手不足で従業員確保が難しい飲食業界で広がる、労働環境改善の動き。一方で、連休が明けたサラリーマンからは次のような声も。
「(連休中は)仕事をしていた。空港で外国からの観光客をアシストしているが、『日本は天皇が代わったんだよね』とすごく興味を持ってくれた」
「ほとんど仕事。飲食業なので、銀行も閉まっているからつり銭とか非常に困った。(連休明けは)エンジンかからない状態。ちょっとダルい」
「家でゆっくりしていることが多かった。(10連休は)正直長すぎだなと。5連休くらいが一番いい」
「とにかくどこも混んでいた。みんなどこか出かけて、渋滞とかがすごかった。(10連休で)仕事どんなんだっけ、何やってたっけみたいにちょっと忘れちゃう。長いだけにブランクがある」
連休明けの仕事復帰が辛いという人もいる中、“前例なき10連休”は心理的にどのような影響を与えるのか。臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏は「4月に『ゴールデンウィークまで頑張ろう』と短期的な見通しがつく」ことを長所とする一方、短所として「新しい環境の心理的な疲れは1カ月後頃に表れやすい」「4月に大変な思いをした人ほど、気持ちがマイナスに振れる可能性がある」ことなどをあげる。
一方、BuzzFeed Japan記者の神庭亮介氏は、強制的な連休と自分で休みを取得することは異なるとし「『5連休ぐらいがちょうどいい』という意見があったが僕もそうで、『ここから10日休んでください』というのは割とつらいものがあるなと。世の中の全員が休みになるわけではないので、木曽路の一斉休業は面白い試みだと思う」とコメント。
経済協力開発機構(OECD)によると、残業代を含めた総収入の1時間当たりの労働額は、国際的な比較が可能な20年間で日本は9%下落している。これも踏まえ神庭氏は「平成初めに『24時間戦えますか』というキャッチコピーが流行ったが、給料がなかなか上がらない中で、24時間気張って働いてどうするのかと。いま『わたし、定時で帰ります。』というテレビドラマが流行っているが、令和のマインドはそこだと思う。日本は祝日過多だと言われていて、国にあてがわれている休みはすごく多い。一方で、有給消化率は世界でも低く、休むことに罪悪感を覚えている人も多くいる。10連休をまとめてもらうよりは、『わたし、有給取ります』と言える休み方改革も必要だと思う」との見方を示した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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