前頭七枚目の友風(尾車)が貴源治を豪快な上手投げで降し、十日目で早々と8勝目。本来は突き押し相撲を身上とする24歳が、相手のお株を奪う四つ相撲での堂々の勝利。これで今年春場所の新入幕から3場所連続の勝ち越し。さらに入門以来、負け越しなしの13場所連続勝ち越しとなり、年6場所制となった昭和33年以降では曙の18場所、初代貴ノ花の17場所に次いで琴欧洲と並び、史上3位の記録を達成した。
友風は神奈川県川崎市出身。同県の向の岡工高、日体大では主力選手として活躍し、同大の先輩にあたる嘉風を慕って同じ尾車部屋に入門した若手ホープ。順調すぎる出世を遂げているが、力士としては一風変わった特技の持ち主でもある。