■8.6秒バズーカーが「静観」してはいけなかった理由
ネット炎上の対策に詳しいMiTERU代表のおおつねまさふみ氏によると、8.6秒バズーカーがネットで拡散するデマを「静観」してはいけなかった理由があるという。
「ギャグもコンビ名も一見意味が分からない。意味が分からないと、人間の心理として理由を知りたいという要望が出てくる。腑に落ちるストーリーが既にコンビ名やギャグにあると『そういうもんだよね』となるが、皆が『何でこういうことをやっているんだろう』『あれはどういう意味なんだろう』という状況で静観してしまったので、火に油を注ぐというか、何もしないことは却って悪いことだった」
また、虚実が混じった状況におけるデマの拡散力について、「ネットの特徴というよりも昔からのこと。僕が子どもの頃は『ノストラダムスの大予言』という本があって、詩のここと、ここと、ここは大地震を表しているといったことはすごくワクワクして面白かった。これはネット上のデマでも全く同じで、原爆の日にこじつけて考えると、『反日芸人だ』というのが予言の解釈のようになって、コンテンツとして面白くなってしまう。それに対抗する、上書きできるような“もっと面白いこと”を言わない限り皆が信じてしまう。信じた方が快感があるから広まってしまう」と説明した。
こうした悪夢の連鎖を断ち切ろうと2018年、8.6秒バズーカーは真相解説動画をYouTubeに上げたが、再生回数は40万回再生にとどまった。田中シングルは「ファンの人たちは知ってくれているし、テレビ関係者の人も『分かっているけど、お前ら出すとクレーム来るから今は使えない』と分かってくれてはいた。今さら何も言うことはないなと思っていたが、2017年末に『干された芸能人まとめ』という動画がYouTubeに上がった。そのサムネイルも僕らが使われて、動画の再生回数は300万回とかいっていたので、今まで知らなかった人もこれで見たんだと。『それならちゃんとした話を上げよう』と次の月に真相解説動画を上げたが、それこそ事実の方は面白くないというか、40万回再生まではいったが噂話の方が広がった」と明かした。
そうした状況におおつね氏は「ネットのデマでも本当の動画でも証拠が本当に大きい」とし、「新聞の文字を差し替えた落寸号令雷を『証拠だ』と皆が広めたのと同じように、『あれは僕が深夜2時のテンションで作った言葉です。当時のネタメモはこれです』という写真などがあれば、こっちも証拠があるんだなという説得力になる。多少の反論というか、『あれは嘘だから』というのにも面白味が出るはず。証拠もなくただ『僕はああでした。こうでした』と言っていても、『言い逃れ、言い訳をしている』と受け取られ、証拠がないから『信用したいけどちょっと納得できない』という状態で止まってしまう」と補足した。
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