■弁護士「書かれた人間がデマだと証明するのはかなり大変」
「デジタル・タトゥー」という言葉があるように、個人情報や投稿などが一度ネット上で公開されると、完全に削除するのは不可能で、消すことが困難になる。ネット上のトラブルに詳しい弁護士の深澤諭史氏によると、「いたずらしようと思って色々な中傷をしたところ、高額な賠償請求を受けるケースがある。最近は大人だけでなく、中学生がインターネットにはまってそういうことをやって、訴えられるケースも増えている」という。また、そうした人は「自分たちが頑張ったおかげで他人がひどい目にあったという達成感を感じると。彼らに『こんなにひどい目に合わせていて何か恨みでもあるのか?』と聞いても、恨みはない。『単にみんなで叩いていて面白いから私も加わった』『その人が困ると気持ちよかった』」と口にするそうだ。
名誉毀損による慰謝料の相場は、判決決着だと10万~30万円程度(100万円を超えるケースも)。裁判費用は数万~70万円程度(相手を見つける費用等含む)で、期間は1年以内に決着する場合が多いが、徹底抗戦となると長期になる。
裁判の過程について、深澤氏は「例えば、新聞社に名誉を毀損されたらその新聞社を訴えればいいが、インターネットの場合は誰が書いたのかを突き止めないといけない。そのためには2回裁判をする必要があって、書き込まれたのが掲示板であれば、掲示板の管理者を訴えて、IPアドレスなどの情報をもらう。その情報を使って、通信業者に『この時間、この番号を使っていたのは誰か』ともう1回訴える。その情報が手に入ってようやくスタートライン。さらに3回目で賠償請求をする」と難しさを説明。
また、書く側の“表現の自由”と書かれた側の“権利救済”はぶつかるといい、「今の情報開示の法律は、どちらかというと書いた側の人を保護するようになっている。普通の名誉毀損ならデマか本当かどうかを書いた人間が証明しないといけないが、ネットの場合は書かれた人間がデマだと証明しないといけない。これは結構大変で、女性関係がよろしくないという中傷を書かれても、書かれた方が女性関係がそうではない理由を証明しないといけない」と解説した。
では、8.6秒バズーカーはこれからも真実を言い続けていくしかないのか。おおつね氏は「『お前、デマに騙されているじゃないか』というのもある種、バズる理由になる。『8.6秒バズーカーに関するその情報デマだよ』『騙されているよ』という面白さを強めて笑いにしていくしかない」と話した。
(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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