
症状が問題行動にとどまらず、犯罪行為にまで及んでしまうケースもある。
2002年に設立され、東京、長野、名古屋、九州の4地区で活動している性依存症の自助グループ「SCA-JAPAN」。回復を目指し、自らの体験を語り、仲間の話を聞いていく。参加者は薬物セックス依存症や強迫的マスターベーション、風俗通いで2000万円近いお金を使ってしまった男性など、症状との闘いや悩み、苦しみを次々に語っていく。
中でも設立メンバーの一人、たかしさん(50代)は幼児性愛(男子)依存で、前科がある。「思春期の頃、電車でたまたま隣りに半ズボンを履いた小学生の男の子が座った。その太ももを触りたくて触りたくてしょうがなくなった。それからどんどんどんどん、そのことに取りつかれるようになって、男児の性器を触ってしまう痴漢行為をするだとか。もうどうしようもないと思って警察に自首した」。
懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を受け、「12のステップ」と呼ばれる依存回復プログラムに取り組んだ。その過程で、性的な依存は単なる性欲ではなく、満たされない何かを埋めるためだということを知ったという。「子供時代に母親に虐待されたことで、自己評価がすごく低い。そのマイナスの感情を楽にするための手段として性的興奮を求めているようだ」。自分自身と向き合い始めたことで、その後18年10か月、子供への性加害は行っていない。
しかし、完治をすることおがないのが依存症だ。「今は夏休みだから、子どもさんが目に入っちゃうことがある。そういう時は自分に対する刺激を避けるために目を閉じたりしている」と明かした。
■「誰にでも当事者になる可能性があると思う」
