■「誰にでも当事者になる可能性があると思う」

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 性依存症の回復プログラムを手がけ、津島氏の漫画の監修も行う斉藤章佳氏は「性的な接触というのは気持ちいいので、人間は繰り返す傾向にある。また、反復すればするほど行動は強化され、いわゆる条件反射の回路が頭の中にできあがる。梅干しを見ると唾液が出るのと同じようなことが、性依存症の人には日々起こっている。アルコールや薬物、ギャンブル、万引きも含め、依存症かどうかのポイントは、まず本人が生活の中で困っているかどうかだ。何らかの社会的な損失や身体的な損失、または経済的な損失があるにも関わらず、それが止められず繰り返してしまう状態に陥る。グレーゾーンの人は結構いると思うし、痴漢や盗撮は比較的誰でもなりやすい。身体に触れたり、階段で下着が見えてしまったことがきっかけで始まることもある。そういう意味では、誰にでも当事者になる可能性があると思う」と話す。

 依存症の治療について、斉藤氏は「私が働いているクリニックは依存症専門のクリニックで、性犯罪を繰り返す人も2000名くらい来ている。中には犯罪になる逸脱行動もあるが、病気と捉えていいかどうかは賛否両論ある。アルコールや薬物は自己使用によって健康を害する問題だが、加害行為の場合、他者の健康を害することになるし、その責任をどう考えるのか、という議論も出てくる。"依存症だから仕方ない。病気だから仕方ない"という議論にきちんと歯止めをかけた上で治療をやっていかないといけないというのが今の考え方だ。いわゆる条件反射の回路を、どうやって違う条件反射に変えていくかだ。梅干しでいえば、唾液を出さないようにすることが重要になる。そのためには、生活の中で梅干しを避ける、"リスクマネジメント"と行う。どうやって自分の引き金を引かずに生活を維持していくかが治療の初期では重要になってくる」と説明した。 

 津島氏に対しては、読者からの「セックス依存症は病気じゃない!ただの性癖だろう!」「ただセックスがしたいだけ!」「たくさんの女とヤッたモテ自慢か!」「浮気男の言い訳!」とった批判の声も寄せられる。しかし津島氏は「まったく好きでもない相手としようとしてしまう。だからラブホテルに入っても性的に興奮せず、勃起もせずに終わってしまうこともある。しかし、その段階までいかないと気が済まない。本当に自分がしたいことではないということを伝えたい。また、アルコール依存症だからといって、アルコールが悪いということではない。セックスにも依存症があると知ってもらいたい」と重ねて訴えた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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