将棋の王将戦挑戦者決定リーグ戦が10月21日に行われ、藤井聡太七段(17)が羽生善治九段(49)に82手で勝利し、3勝1敗の成績で挑戦権争いのトップに立った。対羽生戦においては、これで2戦2勝となった。
藤井七段と羽生九段の対局は、藤井七段が最年少での棋戦優勝を果たした、昨年2月の早指し棋戦・朝日杯将棋オープン戦の準決勝以来、2度目。公式戦初対決では、藤井七段が勝っていた。長時間の対局では、今回が初手合になったが、相掛かりの出だしから持ち時間こそ羽生九段がリードをしていたものの、形勢は徐々に藤井七段に。終盤が進むにつれて、はっきりと藤井七段がペースを握ると、そのまま力強く勝ち切った。
この結果、藤井七段は4局を終えて3勝1敗。対局の消化ペースに差が生じているが、7人参加のリーグで3勝は藤井七段の一人だけ。挑戦者候補の筆頭にあげられていた豊島将之名人(29)は2勝2敗で、一気に藤井七段の最年少タイトル挑戦の気運が高まってきた。
藤井七段の残り対局は2局で、対戦相手は広瀬章人竜王(32)と、久保利明九段(44)。両者に勝利し、5勝1敗となった場合はプレーオフ以上が確定。羽生九段が残り3局のうち1敗でもした場合には、藤井七段の挑戦権獲得が決まる。なお、現在のタイトル保持者は渡辺明王将(棋王、棋聖、35)。
◆王将戦挑戦者決定リーグ戦 現在の勝敗
3勝1敗 藤井聡太七段
2勝1敗 広瀬章人竜王、羽生善治九段
2勝2敗 豊島将之九段
0勝2敗 久保利明九段