誰にも相談できない話だからこそネットの情報を鵜呑みにしてしまう。東京中央美容外科池袋院院長の井上真梨子医師も「“自慰行為をしないでいると痩せやすくなるような気がするが、どうなのだろうか?はたまた気のせいなのかとても気になる”という質問など(禁欲に関しての質問は)結構来る」と明かす。「自慰行為は恥ずかしいこととか悪いことという負のイメージがまとわりつき、人に相談しづらいことであるので、正解を得る機会がない」。

ファクトチェック・イニシアティブの楊井人文氏は「根拠を持って報じられているか、エビデンスがあるのかが重要だ。初めて聞いた話やネットにしか流れていない情報などは立ち止まり、簡単にシェアしないことが大切ではないか。また、100%正しいメディアはなく、大手メディアでも誤報をすることがある。根拠があるのかを確認する以外にない。ただ、特に科学的な分野は、科学的な証拠があるかないかも科学者によって判断が分かれる。証拠の信頼性。高いレベルの証拠なのかどうかが案外難しい」と話した。

セックスについての18歳意識調査(日本財団「18歳意識調査」調べ)によれば、「性に関する情報源は?(複数回答可)」は1位・Webサイト55.8%、2位・友人から50.2%、3位・SNS31.4%、4位・教師16.4%となっている。また、「学校での性教育は役に立っているか?」との質問については、「役に立った」59.1%、「役に立たなかった」40.9%という結果だった。さらに、TENGAによる「マスターベーション世界調査」(世界18カ国・1万3029人、2018年)によれば、日本人の自慰行為の初体験年齢は平均14.6歳で、調査対象国中、最も若いという。一方、“子供の頃、習ったことはある?”との質問に対して、「はい」と答えた人は12%と、世界で最下位だった。

現役の養護教諭で、性の話題について安心して話しができる環境づくりに取り組むコンドームソムリエAi氏は「平均で14.6歳ということは、もっと早い子もいるということ。知識のないまま、例えば自分の体重を床に押し付ける“床オナ”によって強い刺激に慣れてしまい、女性の膣内のグリップに対して乖離が生じ、膣内でいけなくなってしまうような障害につながってしまう可能性がある。あるいは清潔な手でしないと炎症を起こしてしまう恐れもある」と話す。
しかし、小中学校の教科書で自慰行為についてはほぼ触れられていないようだ。「本当はそういったことを学校で教えた方がいいが、そもそも性行為自体が発達段階に即していないと見なされており、中学校の教科書で触れない。親に聞くものでもないし、学校でも教えてくれないとなると、SNSで調べて間違った情報を鵜呑みにしてしまったり、自分はおかしいのではないかと悩んだりしてしまう。もっとも、学校も教科書を超えた指導はできない。やはり先生個人の知識・経験や熱意、他の先生や地域の協力体制が掛け合わされてやっと、という感じだ」。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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