諦めない46歳が、20歳下の若手ホープを撃破だ。将棋の超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」の予選Aリーグ、チーム久保VSチーム三浦が4月25日に放送され、先鋒戦でチーム久保の今泉健司四段(46)が、高野智史五段(26)との三番勝負に2勝1敗で勝利、+1ポイントを獲得した。
▶映像:46歳の苦労人・今泉健司四段が勝ち越しを決めた第3局
縛り付けられていた不安と緊張から、一気に解き放たれた。プロ入りの道を2度断たれてもなお諦めずに夢をつかんだ46歳と、新人王に輝いた26歳の若手ホープ。今泉四段は自ら「全出場者の中で一番能力的に足りないんじゃないかという思いは、はっきりあった」と地力に劣ると自覚する中、持ち味の粘りをフル活用した。
1局目は、緊張のあまり完敗した。関西の振り飛車三人衆「チーム振り飛車」の先陣として、三間飛車を採用して立ち向かったのもの「想像以上に緊張しました。中盤でえらい間違えたような気がする」と、練習のようにスムーズには指せず、140手で投了した。
41歳、編入試験を経てようやくプロ入りを果たした今泉四段にとっては、まさに晴れ舞台。ドラフト会議を前に、立候補までしてたどり着いた場所だけに、あっさり連敗するわけにはいかなかった。迎えた2局目は、再び三間飛車から相穴熊に。互いにじっくり出方を見る序中盤から、終盤は激しい叩き合いに。「1局目負けはすごくきつかった」と、重圧に打ち勝つと、ようやく笑顔を取り戻した。
迎えた最終3局目でも、三間飛車を用いると一時はリードを奪われると、追い上げが成功し終盤は一気の寄せ。115手の快勝で、ようやく心の底からの笑顔が出てきた。
どれだけ攻められ、追い込まれても、諦めずに耐え反撃し勝ち切った中年・今泉四段。その名は、立候補した分を補って余りあるほど、しっかりと広まった。
◆第3回AbemaTVトーナメント
持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行い、1回の対戦は三番勝負。3人1組の12チームが、3チームずつ4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。1対局につき1勝を1ポイント、1敗を-1ポイントとし、トータルポイントの多い上位2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出する。優勝賞金1000万円。
◆出場チーム&リーダー
豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段、三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、Abemaドリームチーム(羽生善治九段)
(ABEMA/将棋チャンネル)