この時ばかりは解説だった。将棋の室田伊緒女流二段(31)が5月23日に放送された「第3回AbemaTVトーナメント」に聞き手として出演。同じ関西所属の糸谷哲郎八段(31)が対局している最中、自身の体験やつかんだ情報から、惜しみなくネタを次々と投下した。将棋だけでなく体調、さらにはメイクに至るまで、細かい情報が紹介される様子に、視聴者を大いに盛り上がった。
室田女流二段といえば、藤井聡太七段(17)と同じ、杉本昌隆八段(51)門下で、過去には藤井七段に勝ったことがあると明かしたことで、ニュースになったこともある。日本将棋連盟棋士会副会長を務めたこともあり、大盤解説の聞き手としても人気を誇っている。
この日は解説の中村太地七段(31)とのコンビで対局を盛り上げていたが、先鋒の谷川浩司九段-都成竜馬六段戦、中堅の森内俊之九段-高見泰地七段戦とはガラリと変わり、ここぞとばかりに「糸谷ネタ」を集中投下した。
以前、「第1回女流AbemaTVトーナメント」にも出場した室田女流二段だが、その際に早指し巧者の糸谷八段と練習をしたことがあるそうで「一度、糸谷先生にフィッシャールールで教えていただいたことがあるんです。(持ち時間を)7分か8分ぐらいまで増やされました」と照れ笑い。持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算されるルールとはいえ、7分を超えるほど貯め込むには、ほぼノータイムで指さなくてはいけない。中村七段が「そんなに増えるもんなんですか」と驚くと「1秒で指してくるんですよ。なんて人だと思いました」と、ほんのり恨み節を入れた。
続いて糸谷八段が対局に集中、前かがみになって盤上にかぶさったシーンでは、その髪型についてのネタを披露。「メイク室で糸谷先生と一緒だったんですけど、ジャニーズ風に仕立てられていました」と、取り立ての情報を明かした。これを中村七段が「毛先が遊んでる気がしますね」とつなげると、「その毛先が出てきました。うふふ」と、自玉を隠すように見える毛先をいじっていた。
最後は、糸谷八段自身も時折コメントしていた、腰ネタだ。糸谷八段の人柄として中村七段が「みんなから頼られている存在」と、棋士会の現副会長であることを語っていたところ「ただ、ぎっくり腰になってしまったそうで。今、腰が痛いらしいです。歪んでいるそうで」と、詳細を説明。棋士にとって、膝や腰を痛めるのは職業病とも言えるもので、大柄な糸谷八段にとっても、大事な話。回復を祈っている様子だった。
◆第3回AbemaTVトーナメント
持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行い、1回の対戦は三番勝負。3人1組の12チームが、3チームずつ4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。1対局につき1勝を1ポイント、1敗を-1ポイントとし、トータルポイントの多い上位2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出する。優勝賞金1000万円。
◆出場チーム&リーダー
豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段、三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、Abemaドリームチーム(羽生善治九段)