将棋の王位戦七番勝負第3局が8月4、5日に行われ、初防衛を目指す木村一基王位(47)は藤井聡太棋聖(18)に敗れ、開幕から3連敗とし後がなくなった。長い将棋界の歴史で、七番勝負で3連敗から4連勝をしたケースは、2例だけ。敗戦したものの、驚異的な粘りを見せた“中年の星”が、第4局から奇跡の大逆転防衛を果たせるか。
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藤井棋聖の攻め、木村王位の受けという局面が長く続いた第3局は、局面が進むにつれて藤井棋聖にペースを握られた。一時は敗勢というところまで追い詰められたものの、持ち駒の銀を自陣に打ち、徹底的に粘る“千駄ヶ谷の受け師”らしさを全開にすると、藤井棋聖の寄せの一手をきっかけに、形勢はほぼ互角に。一気に勝負をもつれさせることに成功した。
それでも、その後の手にも難解なものが続くと、形勢は再び藤井棋聖に。再度の粘りも届かず、苦しい3連敗を喫した。対局後は「ちょっと一方的に待つ展開でしたが、攻められっぱなしでつまらない展開にしてしまった」と振り返ると、粘りの銀打ちには「諦めちゃいけないなと思ってやりましたが、あそこではつらい展開でした」とコメント。第4局については「後がなくなりましたけど、いつもどおり精いっぱい指したいと思います」と短く述べた。
過去、将棋のタイトル戦において七番勝負で「3連敗から4連勝」したケースは2例だけ。そのうち1例は、木村王位が3連勝しながら4連敗でタイトルを逃したものが含まれる。昨期、46歳3カ月という史上最年長で初タイトルを獲得し、本人もファンも涙したが、将棋同様にこの逆境でも諦めない戦いが期待される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)