将棋の順位戦A級4回戦が10月1日に行われ、斎藤慎太郎八段(27)が羽生善治九段(50)に111手で勝利した。A級初挑戦の斎藤八段は、無傷の4連勝で名人挑戦に向けて単独首位をキープ。羽生九段は1勝3敗と黒星が2つ先行し、残りの対局はA級からの降級危機も感じながら戦うことになった。
過去の対戦成績では、斎藤八段が1勝5敗と大きく負け越していたが、横歩取りから始まった一局は、両者じっくりとした戦いぶりで、夜戦に入ったところでも形勢は全くの互角。羽生九段が先に仕掛けたものの、攻め味を確実に消していった斎藤八段が徐々にペースを握る展開に。攻めの手番が回ってきたところで一気にペースアップすると、残りの持ち時間が残り数分という状況が続いても、正確な攻めに終始し、最後は華麗な即詰みに討ち取った。
今期のA級は現在4回戦が開催中で、4連勝は斎藤八段ただ一人。昨期は渡辺明名人(棋王、王将、36)が全勝で挑戦権を獲得、その後に初の名人奪取を成し遂げたが、斎藤八段の快進撃は折り返しを向かえる5回戦以降も続くか。一方、羽生九段は先日、竜王戦で挑戦権を獲得しタイトル100期の期待がかかるものの、今期のA級は苦戦。10人中2人の降級圏内にはまだ入っていないが、挑戦権獲得よりもまずは28期連続となっているA級以上維持が第一目標となりそうだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)