キラキラ四股名に高卒時は車の整備士志望も体が大きすぎて断念 ネタの宝庫「天空海」の読み方は「あくあ」
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 今場所が新入幕の天空海が三日目、初白星を挙げた。天空海は「あくあ」と読む。30歳での入幕と遅咲きだが、所属する立浪部屋ですでに幕内で活躍する明生、豊昇龍ら、年下の生きのいい若手と切磋琢磨しながら実力を蓄えてきた。

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 2010年十一月場所、立浪部屋に入門するがもともと相撲には興味がなかった。無類の車好きで新車情報は常にクルマ雑誌でチェックするほどのカーマニアだった。高校を出ると車の整備士を目指し、専門学校に通っていたが、卒業するころには体重が120キロを超え、修理するにも車体の下に潜ることができなくなるという深刻な問題が発生し、整備士は断念。大きくなった体を生かすため、知り合いを通じて角界入りすることになった。

 入門と同時に「豊乃浪」を名乗っていたが幕下で燻っていたのを機に「天空海」に改名。出身地の茨城県大洗町にある有名な水族館『アクアワールド』に因んだ。実は入門時、すでに「阿久亜」の字をあてる案があったが読みをそのままに現在の四股名に。自身が午年生まれということもあり下の名も「翔馬」に変えた。

 “キラキラネーム”と揶揄されることもあるが実は深い意味と思いがある。「天空海 翔馬」を縦書きにして下から上へと読むと、鳥の翼が生えたペガサス(翔馬)のように海から空を突き抜け天まで駆け上がれという願いが込められている。「空」と「海」は地元大洗町を象徴し、「地」がつかないのは力士としては縁起がいい。

 改名して注目度は俄然、上がり、幕下上位にも定着するようになった。当初はなかなか関取を維持できなかったが、3度目の十両昇進となった昨年十一月場所からは着実に番付を上げていき、新入幕の切符を手に入れた。

 「グーグルで『あくあ』と打ち込むと『天空海』と変換されるくらいになりたい」という目標も番付をさらに駆け上がり、大ブレークすれば実現するかもしれない。

キラキラ四股名に元整備士志望
キラキラ四股名に元整備士志望