将棋の超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」のスピンオフ企画が1月1日に放送され、本大会で準優勝だったチーム渡辺(所司一門)が、チーム康光(レジェンド)との9本勝負に5勝1敗で勝利した。渡辺明名人(棋王、王将、36)、近藤誠也七段(24)、石井健太郎六段(28)の3人は、本大会の決勝でまさかの0-5というストレート負けを喫していたが、今回のスピンオフ企画では1局目から4連勝を飾ると、6局目にも渡辺名人がこの日2勝目を挙げて決着。新たな年で幸先のいいスタートを切ることとなった。

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 佐藤康光九段(51)、森内俊之九段(50)、谷川浩司九段(58)と、日本将棋連盟に2人の永世名人というまさにレジェンド3人が揃ったチームを相手に、所司一門の3人が鬱憤を晴らした。本大会の決勝では優勝候補の筆頭に挙げられていたチーム永瀬(バナナ)の永瀬拓矢王座(28)、藤井聡太王位・棋聖(18)、増田康宏六段(23)と熱戦を繰り広げたが、残った数字はまさかの5連敗。渡辺名人も戦前のインタビューで「決勝だけ5タコを食ってしまって、終わり方がよくなかった。負けてチームとして解散してしまうのは残念だったので、負けるにしても今日は5タコは食わないように、1人1番でも勝ちたい」と、気合を入れていた。

 大将・渡辺名人の言葉に触発されてか、1局目を任された近藤七段は「序盤の作戦が今ひとつ。少しずつ苦しい将棋でした」と、佐藤九段の角交換からのダイレクト向かい飛車に苦しんだが、中盤・終盤に粘り続けて逆転勝利。久々のフィッシャールールにも手こずりながら、この対局で初めて袖を通した和服姿も様になり、徐々に対応力を高めてチームに勢いをつけた。

 2局目に登場した石井六段も、谷川九段が得意とする角換わりに飛び込み、大先輩の胸を借りた。序盤、中盤と優勢に進めると、終盤にかけては一時盛り返される場面もあったが、その後も落ち着きを失うことなく勝利。しっかりと存在感を示した。

 3局目に登場したのが渡辺名人。本大会で大活躍した森内九段と相矢倉の将棋を選択すると、現在のプロ将棋界の序列1位に君臨する実力をいかんなく発揮。勝利を収めた後のインタビューでは「練習してきたんで、本番よりうまく指せたかもしれないです」と上機嫌だった。

 この3連勝で完全に波に乗ったチーム渡辺。5局目こそ森内九段に意地を見せられたが、5勝1敗での勝利は、準優勝にふさわしく、決勝でも少し展開が違っていれば、さらに白熱した戦いを繰り広げただろうことを感じさせる快勝だった。

 締め括りに渡辺名人は「再結成という形でしたが、レジェンドチームのみなさんと対戦ができて、いい思い出になりました。この3人で指すのは最後だと思うし、若い2人の弟弟子も、着物を着てレジェンドと戦うという貴重な経験をさせていただきました」と頭を下げた。

 プロの将棋界にはない団体戦で、全12チームの中でも同門という結束を戦うごとに強めていった3人。再び個人での公式戦に戻った時も、きっとこの団体戦で交わした言葉や知識が、勝負どころでの大きな力になる。

【対局結果】(戦型)

1局目 ○近藤誠也七段 125手 佐藤康光九段● (角交換型振り飛車)

2局目 ○石井健太郎六段 110手 谷川浩司九段● (角換わり)

3局目 ○渡辺明名人 123手 森内俊之九段● (矢倉)

4局目 ○近藤誠也七段 126手 佐藤康光九段● (矢倉)

5局目 ●石井健太郎六段 160手 森内俊之九段○ (矢倉)

6局目 ○渡辺明名人 108手 谷川浩司九段● (中飛車)

◆第3回AbemaTVトーナメント

 第1回、第2回は個人戦として開催。羽生善治九段の着想から生まれた持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算されるフィッシャールールは、チェスなどで用いられるもの。団体戦となった第3回には3人1組、12チームがドラフト会議を経て結成され、予選リーグと8チームによる決勝トーナメントを戦った。優勝したチーム永瀬の藤井聡太王位・棋聖は、第1回、第2回でも優勝しており実質3連覇となった。

(ABEMA/将棋チャンネルより)

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