まもなく4月を迎えるにあたり、新生活が始まり変化を迎える人も多いだろう。不安な気持ちになっている人もいるかもしれない。
そこで、新生活を乗り越える心理学的な“3つのコツ”について、臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏に聞いた。藤井氏が相談者や患者と話す中で、「これが効いた」と感じたものだという。
(1)まずは週末とGW(ゴールデンウィーク)を目指そう
(2)辞めてもいいよ言ってくれる人と話す
(3)ストレスはなるべくその日のうちに解消、無理なら寝る
「ひとつ目は、新しい生活は経験がない分中々見通しがつかない。新生活の負荷が大きく,『いつまでがんばればいいんだろう』という心理になると,さらに辛くなってしまう。週末が休みの人は“この週末まで頑張ろう”、週末が休みでない人は“休みまで頑張ろう”と思うこと。もう少し先でいうと“GWまで”という風に先のことを考えすぎずに近場のゴールを設定すると、そこまで頑張ろうという気持ちになれる。それぐらい耐えられると、今度はもう少し“長く夏休み取れるまで”、そのあとは“年末まで”と区切りをつけられるといい。
ふたつ目は、新しい職場、学校、環境に一日行ってみて、“つらい”“きつい”と思うことがあると思う。それが蓄積していくと、自分の中でいろいろなことがポジティブに考えられなくなっていくし、視野も狭くなる。前向きに励ましてくれる人ももちろん大事な一方で、『いざとなったら辞めてもいいんじゃない?』と、ある種極端なことを言ってくれそうな人と話すのは大事なこと。つらいときに辞めてもいいよと言われると、“これ辞めたらどうなるんだろう”と立ち止まって考えることができて余裕が生まれたり、“辞めたら後悔するかも”“辞める気持ちで続けたらいけそうだな”と開き直れるなど、ポジティブな変化につながることがある。実際どうするかは別として,逃げ道を意識するのは大事なこと。
みっつ目は、無自覚なストレスが蓄積していくことが一番心配で、気づいた時に体に出ていたり、気持ちの面でうつが強くなったり、職場に行こうとすると過呼吸が出たりといった不安の症状が出ることがある。職場や学校で新しい環境が始まって“忙しいからなかなか自分の好きなことがやれない”と思う心理はあると思うが、そういう時ほど、仕事帰りに好きな食べ物を食べるとか、自分の趣味のものを思い切って買うといった形でバランスが取れると、ストレスも解消されて日々の良い循環が回っていくと思う。
それがいろいろな状況や金銭的に難しいようであれば、やはり寝ることが大事。新年度,私のところに5月病や調子を崩して来る方は、圧倒的に寝られていない人が多い。うつや不安といった症状の表れとして不眠になることはあるが、ほとんどの方が症状が出る前にいろいろ考え過ぎたり、頑張りすぎて睡眠を削ったりしている。寝られていないというのは思考にも影響して、バランスを取って建設的に考えることがしにくくなるし、どんどんネガティブになるのは明らかなので、疲れたり行き詰まったら、とにかく横になる、寝てしまうというのが身体的にも精神的にもいい影響がある。もし寝られなければ、できる範囲で短時間の昼寝をするのもいいし、一時的に薬を使うのも一案」
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