団体戦でもなければ、おそらく今後も長く見られないだろう、激レアなシーンが世に送り出された。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Cリーグ第1試合、チーム豊島とチーム木村の対戦が5月22日に放送されたが、この中で豊島将之竜王(叡王、31)がチームメイトの奮闘中、両手をしっかり組んで「なんとか…」と神に祈った。“きゅん”の愛称でも親しまれる豊島竜王に、胸キュンするファンが続出した。
豊島竜王は、タイトルを通算6期獲得。現在も渡辺明名人(棋王、王将、37)に次いで2つのタイトルを保持し、4人いるタイトルホルダーの一角として活躍している。普段から落ち着いた様子で、インタビュー時でも常に冷静な口調で話す印象が強い棋士だ。鋭い指し手とは裏腹に、穏やかな素顔が特に女性ファンからの人気を獲得、いつしか「きゅん」という愛称がついた。
ファンにとっては胸キュン不可避、といったシーンが生まれたのは第4局、チーム豊島・大橋貴洸六段(28)とチーム木村・佐々木勇気七段(26)の中でのこと。劣勢に立たされた大橋六段に、挽回の一手として7九の地点に銀を打つものがあったが、短い持ち時間の中でこの一手が思いつくかどうかは微妙なところ。豊島竜王にも逆転の糸口が見えていたのか、この瞬間「いやー、これ、行ってほしいな。なんとか…」と両手を組むと「行ってほしい!」と目をつむり、神に祈った。
結果、残念ながら願いは届かず、大橋六段は別の手を選択。対局にも敗れてしまったが、ファンの心の中にしっかりと刻まれたのは豊島竜王の愛らしいお祈りシーン。「お願いポーズかわいい」「とよぴのお祈り」「いのるキュンとかどういうボーナスシーン」と、まさに“投了”したファンが数多く見られていた。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)