【米大リーグ】エンゼルス3-2レンジャーズ(9月3日・日本時間4日 アナハイム/エンゼル・スタジアム)
エンゼルス大谷翔平投手が「2番・投手」で先発出場し、投手として7回2失点8奪三振と好投、チームトップの9勝目を挙げた。メジャーで自己最多となる117球を投げたが、ピンチなどではギアをトップに入れ、最速で100マイル(約161キロ)を連発。打者としても両リーグトップの42本塁打をマークしているが、投手としてもメジャートップクラスの実力を発揮した。ただ、このすさまじいスピードボールに苦しんだのは打者だけでなく球審もその一人だった。
160キロ超のストレートに、鋭く曲がるスライダー、急激に落ちるスプリットなど、メジャーの中でもハイレベルな投球を続ける大谷をジャッジするには、審判側にも相応のテクニックが求められる。先日、大谷を3三振に打ち取ったヤンキースのコールなど、超一流の投手を見続けていれば、徐々に目も慣れてくるものだが、メジャー経験が浅く、マイナーリーグでの試合が多ければ、正確な判定も難しい。この試合で球審を務めたのは、昨シーズン初めてメジャーに上がったジェレミー・リッグス。試合序盤からコースについては、かなり外れたボールでもストライクとコールするシーンがあり、両チームの打者にとっては厳しい判定が続いていた。
このリッグスにとって、おそらく経験がないだろうボールが、この大谷の100マイルだ。ただの100マイルだけではなく、コースはストライクゾーンの低めぎりぎり。球威や回転がなければ、そのまま垂れてゾーンから外れていくはずが、ベース付近でさらに伸びてくるボールは、マイナーリーグではお目にかかれないものだ。4回、ピンチの場面で大谷が100マイルを連発した際、まさに低めぎりぎりに絶好のボールが投じられたが、リッグスの右手が挙がらず、大谷もマウンド上で軽く首をひねった。
これには解説をしていたAKI猪瀬氏も「これはマイナーリーグの審判が、ボールが良すぎて手を挙げ忘れちゃった感じですね。マイナーリーグに100マイルを投げるピッチャーはゴロゴロいますけど、あそこの低めのボーダーラインに投げられるピッチャーはいない」と指摘。ファンからも「最高のボール」「入ってるだろ」「あれストライク取ってやれよ」といった声が集まっていた。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)