冨安は招集外濃厚だが、戦力は充実している

5月も中旬に差し掛かっており、6月初旬に迎える日本代表戦が近づいてきた。計4試合が予定されており、カタールで勝つにはここで大きな収穫を得る必要がある。しかし、チームの軸となるDF冨安健洋は怪我に苦しんでおり、直近のニューカッスル戦では負傷交代となってしまった。復帰時期は未だ明確になっておらず、冨安を代表の戦力として数えるのはやめたほうが良さそうだ。

となればこれまでの吉田麻也、板倉滉のコンビがファーストチョイスになるだろう。板倉はシャルケで1シーズン継続した出場機会を得て1部昇格に貢献している。センターバックに続いてボランチにまでプレイエリアを広げており、幅を広げる1年となった。日本代表でのプレイは先日のアジア最終予選で通用することを証明した。ビルドアップに加え、跳ね返す守備も披露しており、彼がファーストチョイスで問題ない。

気になるのは吉田のコンディションだ。サンプドリア所属の日本代表キャプテンだが、チームの指揮官が変わってからは出場機会を得られていない。最後に出場した4月のヴェローナ戦でも16分と途中出場からの出番となった。代表での経験値でいえば吉田だが、親善試合ということもあり、吉田を脅かすことができる戦力を見てみたい

それがシュツットガルトの伊藤洋輝である。未招集の選手だが、冬のカタールで使うならこの6月で呼ぶことになるだろう。ドイツ1部で継続してピッチに立っており、最終節ケルン戦では遠藤航の残留を決めるゴールをアシストした。高さあり、スピードあり、上手さありの選手で、左に伊藤、右に板倉という新しいオプションを親善試合で試すのも悪くない。

冨安を起用できない可能性が高いブラジル戦含む計4試合の親善試合。彼を使えないのは苦しいが、ベテランの吉田に加えて若い板倉に伊藤もいる。最終予選で結果を残した谷口彰悟、ベルギーで躍動する町田浩樹もおり、冨安不在を感じることのない有意義なテストゲームとしたい。