日本代表元監督のバヒド・ハリルホジッチ氏は、FIFAワールドカップ・カタール大会前でのモロッコ代表監督解任が噂されている。しかし、王立モロッコサッカー連盟(FRMF)はハリルホジッチ監督続投の可能性を探っているようだ。11日、オランダ紙『AD』が伝えている。
ハリルホジッチ氏は2019年8月にモロッコ代表監督に就任。グループステージ方式によるカタールW杯アフリカ2次予選でスーダン、ギニアビサウ、ギニアを相手に6戦全勝でホームアンドアウェイ方式の最終予選に進むと、コンゴ民主共和国代表相手に1勝1分として、カタールW杯本大会出場を決めていた。
ただ、チーム内の規律を重んじるハリルホジッチ監督はチェルシー所属MFハキム・ツィエク(29)やアヤックス所属DFノゼア・マズラウィ(24)を代表チームから追放。この指揮官の決断に対しては、モロッコ国内から強硬なやり方だという批判の声が上がっていたほか、FRMFによる2選手の代表復帰や監督交代検討が伝えられていた。
そして今月はじめには、FRMFがかつてオリンピック・マルセイユで日本代表DF酒井宏樹(31)を指導していたアンドレ・ビラス・ボアス氏の招へいに動いていると、カタールのスポーツ専門局『ビーイン・スポーツ』が報道。ビラス・ボアス氏がモロッコ国内にいることが伝えられると、ハリルホジッチ監督の解任が決定的という見方が広まっていた。
しかし『AD』は「FRMFはハリルホジッチ監督に対して、ツィエクとマズラウィを再び代表メンバーに選ぶよう求めた。誰もがハリルホジッチ監督の辞任を予想していたが、ここにきて妥協案が浮上している」と伝えている。
そしてハリルホジッチ監督とFRMFの契約内容について「モロッコがワールドカップに出場した後での解任の場合には、違約金を支払うという条項も契約内容に含まれているはずだ。FRMFは200万ユーロ(約2億8000万円)ともいわれる金額を支払うことはできないだろう」と報道。ハリルホジッチ監督解任に踏み切れない理由に契約解除条項の存在があると主張しているのだ。
なお、モロッコ代表は来月1日にアメリカ国内でアメリカ代表と対戦することが決まっている。ハリルホジッチ監督の去就とともに、モロッコ代表メンバー発表のタイミングにも注目が集まる。