高さとパワーのオプションをプラスする

今年のワールドカップ・カタール大会でドイツ代表とグループステージ初戦で戦う日本代表。

ドイツは優勝も狙えるワールドクラスだらけのチームだが、不安点の1つに挙げられるのがセンターフォワード不足だ。

ドイツ代表は19日に6月のネーションズリーグへ向けた代表メンバーを発表しているが、FWではカイ・ハフェルツ、ティモ・ヴェルナー、カリム・アデイェミ、トーマス・ミュラー、マルコ・ロイス、ルーカス・ヌメチャ、セルジュ・ニャブリ、レロイ・サネが入っており、前線で体を張るタイプのセンターフォワードは確かに不足している。

そんなドイツにとってスペシャル案となり得るのが、今季ブンデスリーガ2部でシャルケを昇格へ導いた34歳のFWシモン・テロッデだ。

テロッデは192cmのサイズを誇り、ペナルティエリアで勝負する古典的FWだ。器用な選手ではないが、こうしたタイプのFWは今のドイツ代表にないオプションとも言える。

今季テロッデは2部で30ゴールを奪っており、ドイツ国内では今回の代表招集でもテロッデが入るか注目されていたという。独『Sport1』もテロッデ本人に代表でプレイする意思があるか質問しているが、テロッデも意欲は十分だ。

「もちろん代表は大きな夢だ。今はあまり考えてはいないけど、もちろん準備はできている。ドイツではセンターフォワードが不足していると思う。僕自身がテレビで試合を見るときは、純粋なストライカーがいるチームを見たい。おそらくは小柄でスピードがあるFWや、偽9番といったシステムを採用するとサイドからのクロスを受けることが難しくなる。しかし近年はこの問題が認識され、センターフォワードが注目されていると思う。僕はセンターフォワードのファンなんだ」

ヴェルナーやミュラー、売り出し中のアデイェミも十分に怖いが、日本にとってはテロッデのような高さがプラスされるのも怖い。

逆にドイツにとって嫌な日本戦の流れは、日本の守備を崩せずに0-0の状況が長く続くことだろう。そのシナリオだけは避けたいと考えるはず。その際テロッデのように高さとパワーで強引にゴールをこじ開けられる選手は貴重だ。

日本側としてはやめてほしいオプションだが、テロッデが来季開幕から1部で結果を出せると証明できれば代表監督ハンジ・フリックも無視はできまい。2部最強のストライカーとして有名な存在になったテロッデはワールドカップへの切符を掴めるのか。勝負の半年だ。