日本代表MF鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)が、30日にメディア対応を行なった。
鎌田は今シーズンのヨーロッパリーグ(EL)で全13試合に出場し、チームトップ(全体では4位タイ)となる5ゴールを記録するなど、クラブの42シーズンぶり2度目となるヨーロッパのカップ戦タイトルを獲得に貢献。日本人選手が欧州カップ戦でタイトルを獲得するのは、2001-02シーズンに小野伸二がフェイエノールトの一員として、ELの前身大会・UEFAカップを勝ち取って以来、20年ぶりの快挙だった。
EL制覇に貢献した鎌田は「一番はやっぱり僕にとっての初タイトルだったので、それが一番の収穫だと思います」と喜びを口にした一方で、「数字は昨シーズンよりも劣ったというか、アシストの部分がかなり減った感覚はあります」と公式戦46試合出場で9ゴール4アシストを記録した今シーズンを振り返った。
「去年とは同じポジションながら違う役割をチームで任された中でも、アシストはもう少し付いていてもおかしくなかったシーズンだったと思います。去年より数字は落ちましたけど、監督からの信頼は勝ち取ることができたと思うし、試合数も多いなかで多くの試合にスタメンで出ることができて、タフさも戻って、コンディションも最初は難しかったが元に戻ったと思うので、終わり良ければでないですけど、全てが良い形になったかなと思います」
また、フランクフルトを率いるオリバー・グラスナー監督は「どちらかというと守備に厳しい」と語った鎌田は「ただボールを奪いにいくところだけでなく、自分が正しいポジションに立ち返るとか、正しいポジションをとることができない選手も多いなかで、今の監督は僕のそういうところも評価してくれた。画面に映らないところも評価してくれたので、僕自身も守備に対するモチベーションも保てたので良かったと思います」と守備が評価されていたことを明かした。
さらに、「攻撃をしながら守備のことも考えないとダメ」だという鎌田は「フランクフルトの中では他の選手よりはちゃんと考えながらできている」と自己分析しながら次のように続けた。
「フランクフルトは基本的にそういうのが得意な選手が多くないので。監督もELのときも、バルサのときも、ウェストハムのときも、『君が一番、自分たちの守備で大事な選手だった』と言ってくれていた。他の選手よりは、そういう部分ではずる賢いという感じなんですかね」
クラブで活躍を見せた鎌田だが、しばらく日本代表には招集されず、今回が昨年11月以来の招集となった。それでも、「試合数も多かったし、僕自身も最初はコンディションが整っていなくて、そこをどれだけ早く良くするかということを考えていた」と代表から離れていたことによっていい影響もあったと語った。
「代表に行っていたときはキツい部分もあった。うまくいってもいないし、結果もでなかったので、そういう部分では選ばれなかったことでチームにフォーカスできたし、選ばれなかったから落ち込んだこともなかった。試合数も多くて代表ウィークにリフレッシュもできたので、今思えばプラスの面もあったのかなと思います」
これまでの日本代表ではトップ下での起用が多かった鎌田だが、現在はメインシステムが4-3-3となっていることから、インサイドハーフでの起用が予想されている。しかし、「攻撃的、守備的で少し違いがあると思うんですけど、僕自身は昔からインサイドハーフでやりたいと言っていた。フランクフルトでも5-3-2で試合をしたり、インサイドハーフで出たこともあるし、どこでもできると思っています」と自信をのぞかせた。
なお、フランクフルトとの現行契約が2023年6月30日までと残り1年になっている鎌田は「僕が入ってからの5年間のフランクフルトの成績はドイツでも素晴らしいものになっているし、そこにCLが加わるので、フランクフルト以上を探すのは難しいと思います」と心境を吐露しつつ、「残り1年の契約なので、そこはうまく考えて行動しないとダメかなと思いますけど、半年後にW杯があるからどうこうとかは考えていない。代表のために移籍するとかは正直考えていないです」と去就について語った。