現地時間6月1日に開催されたカタール・ワールドカップ欧州予選のプレーオフ(パスAの)準決勝で、ウクライナ代表が敵地グラスゴーのハムデンパークでスコットランド代表と対戦した。

 本来は3月に行なわれるはずだったこの試合は、ロシアのウクライナへの軍事侵攻のために延期されていた。

 いまだにロシアから攻撃を受ける母国を思い、11人全員が国旗を纏って入場したウクライナは7分、右サイドからのクロスにツィガンコフがシュート。これはベテランGKゴードンにセーブされる。

 17分にも敵ペナルティエリア内でパスを繋ぎ、最後は主将でエースのヤルモレンコが振り向き様にシュートを放つも、ここもゴードンの身体を張った守備に阻まれる。

 その後もチャンスを作り出したウクライナは33分、マリノフスキのロングパスに抜け出したヤルモレンコが、見事なトラップから絶妙のループ弾。鮮やかにネットを揺らす。
 

 前半を1-0で終えたウクライナは、後半開始早々の49分、右サイドからのクロスにヤレンチュクがヘッドで合わせ、追加点を奪う。

 その後はスコットランドに押し込まれる展開となるも、身体を張ったディフェンスで防ぐ。67分にはGKブスチャンがクロスを弾いて大ピンチを招くも、ここはマッギンのシュートミスに助けられた。

 しかし79分、波状攻撃を仕掛けられ、最後はマクレガーのシュートをブスチャンが弾き、ステパネンコの必死のクリアも及ばず、1点を返される。

 しかし、後半アディショナルタイムにカウンターからドフビクがダメ押し点を決めて3―1で勝利。国民を勇気づける見事な白星を挙げたウクライナは、5日にカーディフに行なわれる決勝で、3月にオーストリアを破って勝ち上がってきたウェールズとW杯出場を懸けて対戦する。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【画像】見事なトラップから圧巻のループシュートを決めるヤルモレンコ